こんにちは、Tです。
ニュースアプリを開いたら「ボルボ、約2,500人を削減」という見出しが目に飛び込んできて、正直ドキッとしました。いつかV90(もしくはXC90)を買い戻すと決めている身としては、「え、ボルボ大丈夫なの?」と一瞬手が止まったんですよね。
でも見出しだけで不安になるのも違うなと思い、ボルボ・カーズが2026年10月23日に出した第3四半期決算の発表を一通り読みました。この記事では、ボルボの人員削減の中身と中国での販売不振の実態、日本のオーナーにとって何が変わりそうか、そして2030年までの新型車計画を、元オーナーの目線で整理します。
先に私の結論を書いておくと、日本のディーラーや保証への直接の影響は小さく、むしろ日本での販売は前年を上回っています。気にしておきたいのは、EX60をはじめとする新型車の日本導入のタイミングです。
- ボルボの人員削減2,500人の中身と、決算で起きたこと
- 中国で売上がほぼ半減した理由と、日本販売が伸びている事実
- ディーラー・保証・リセールなど日本のオーナーへの影響
- 2030年までに13車種を出す新型車計画と、日本に来そうなクルマ
ボルボの人員削減2500人とは?Q3決算で起きたこと

まず押さえておきたいのは、今回のニュースの主役が乗用車メーカーの「ボルボ・カーズ(Volvo Cars)」だということです。トラックやバスを作る「ABボルボ(Volvo Group)」とは1999年に別会社になっていて、ネット上ではこの2社の人員削減ニュースが混ざって出てくることがあります。私たちが乗っているXC60やEX30の話は、ボルボ・カーズのほうです。
削減の中心はスウェーデンの約2,000人
ボルボ・カーズの発表によると、今回の構造的な人員削減は世界で約2,500人。そのうち約2,000人がスウェーデンです。やり方として挙げられているのは、外部コンサルタントとの契約終了、自然減(退職者の補充をしない)、対象を絞った退職パッケージの3つでした。
あわせて、間接費と変動費でさらに50億スウェーデンクローナ(SEK)を削る計画も出ています。間接費は2027年末までに2024年比で25%近く減らし、投資額も2024年より約30%低い水準に抑えるとのこと。工場についても、ボルボ専用の5工場に集中し、ベルギーのゲント工場と中国の成都工場ではジーリー(吉利)グループの他ブランド車との混流生産を検討すると書かれていました。
ボルボ・カーズは2025年5月にも約3,000人の削減を発表していて、今回はそれに上乗せされる形です。2年続けての大きな削減なので、「一時的な調整」というより、会社の体格そのものを小さく作り直している段階だと私は受け止めました。
| 項目 | 2026年第3四半期(7〜9月) | 前年同期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 669億SEK | 864億SEK |
| 営業利益(一時項目・JV等除く) | ▲37億SEK | 58億SEK |
| 営業利益率(同上) | ▲5.6% | 6.7% |
| フリーキャッシュフロー | ▲89億SEK | ▲43億SEK |
| 販売に占めるEV比率 | 32% | 22% |
| 販売に占める電動車比率(EV+PHEV) | 53% | 46% |
売上が前年から約2割減って、営業赤字。数字だけ並べると、さすがにため息が出ます。サムエルソンCEOも「非常に厳しい環境が続いている」と認めていて、立て直し計画を追加の対策で強化する必要があるとコメントしていました。
中国の売上がほぼ半分になった理由
今回いちばん重かったのが中国です。ボルボ・カーズの発表では、中国での売上は前年同期からほぼ半減。報道ベースでは、中国本土の小売販売台数は約1万8,600台で、前年同期の約3万2,800台から43%減ったとされています。8月に7月までの販売実績を調べたときも中国は大きく落ち込んでいましたが、そこからさらに悪化した形です。
理由ははっきりしていて、中国の新興ブランドとの激しい価格競争です。中国ではEVやPHEVを安く、しかも高機能に作るメーカーが一気に増えました。サムエルソンCEOは、新しい中国ブランドとの競争が「従来のプレミアムブランドの収益性をほぼ消している」とまで話しています。ヨーロッパで開発した世界共通のクルマを持って行っても、もう中国では通用しにくい、という認識のようです。
- 中国:売上ほぼ半減。新興ブランドとの価格競争が激化
- 米国:関税と、電動車の購入優遇措置の終了が利益を圧迫
- 欧州:EV比率45%と電動化が進み、比較的堅調
- その他:排出権クレジットの評価減、原材料価格、ポールスターの損失計上も重荷に
個人的に意外だったのは、アメリカも苦しいことでした。中国だけの問題なら「中国の事情」で片づけられますが、関税と優遇措置の終了がダブルで効いている。ボルボにとって大きな市場が2つ同時に崩れたのは、正直かなり痛いと思います。
ボルボの経営は大丈夫?数字で冷静に見る

人員削減に赤字、中国の販売不振と並ぶと、「ボルボって潰れるの?」「日本から撤退する?」と心配になる方もいると思います。ここでは私なりに、心配しすぎなくていい部分と、ちゃんと気にしておいたほうがいい部分を分けて考えてみました。
赤字は痛い、でもすぐ潰れる話ではない
まず、ボルボ・カーズは中国のジーリー(吉利)グループの傘下にあり、報道によればジーリー側が株式の約8割(78.65%)を持っています。今回の発表でも、ジーリーとの部品共通化やプラットフォーム共有をさらに進める方針がはっきり打ち出されました。部品の共通化率は今の約10%から2030年までに約30%に引き上げ、材料費を約5%下げる見込みだそうです。
大きなグループの中で、部品も工場も共有しながらコストを下げていく。これは単独の自動車メーカーが資金繰りに行き詰まるのとは、状況がだいぶ違います。少なくとも決算資料を読んだ限り、「事業をたたむ」ではなく「グループの力を使って作り直す」という方向でした。
もちろん、楽観はできません。株価は決算発表の日に大きく下げ、報道では過去最安値を更新したと伝えられています。年間の販売台数とキャッシュフローの見通しも10月上旬に取り下げていて、会社自身が「中国はこの先2年も厳しい」と見ている。すぐに潰れる話ではないけれど、ここから2年ほどは我慢の時期。私はそう整理しています。
ジーリー傘下になったことの良し悪しは、以前ボルボはどこの国の車?スウェーデン生まれ×中国資本の真実でも書きました。あのとき「中国資本だからこそボルボは生き残れた」と書いた部分が、今回はより直接的に効いてくる形ですね。
欧州と日本はむしろ伸びている
暗い数字が並ぶ一方で、ちゃんと伸びている地域もあります。欧州では第3四半期の販売に占めるEV比率が45%まで上がり、新型EV「EX60」は欧州だけで5万台を超える受注を集めています(生産の立ち上がりは計画より遅れているとのこと)。
そして気になる日本。日本自動車輸入組合(JAIA)の統計をもとにした集計では、ボルボの日本での新規登録台数は2026年1〜9月の累計で8,858台、前年同期比103.6%と前年を上回っています。9月単月も1,391台で前年同月比105.3%でした。
| 地域 | 2026年の状況 | Tの受け止め |
|---|---|---|
| 中国 | 第3四半期の売上がほぼ半減。小売台数は約43%減(報道) | 厳しい。専用車での巻き返し待ち |
| 米国 | 関税・優遇措置終了で利益が圧迫 | 現地生産の拡大で対応中 |
| 欧州 | EV比率45%、EX60の受注5万台超 | いまのボルボの支え |
| 日本 | 1〜9月の新規登録8,858台(前年同期比103.6%) | むしろ堅調。撤退を心配する数字ではない |
これを見て、ちょっとホッとしました(笑)。日本はボルボにとって世界的に見れば大きな市場ではありませんが、少なくとも販売が落ちて「撤退を考える」ような状況ではありません。中国の不振と、日本の販売は切り分けて考えていいと思います。
日本のボルボオーナーへの影響は?

ここからが本題です。いまボルボに乗っている方、これから買おうとしている方にとって、ボルボの人員削減は何を意味するのか。執筆時点(2026年10月27日)で、日本法人のボルボ・カー・ジャパンから今回の削減に関する発表は、私が確認した範囲ではありません。そのうえで、発表内容から考えられることを整理します。
ディーラー・保証・部品はどうなる
今回の削減は、スウェーデンを中心にした本社機能や開発まわり、外部コンサルタントが主な対象です。日本の正規ディーラーの多くは各地の販売会社が運営していて、スウェーデン本社の社員が店頭で働いているわけではありません。なので、近所のディーラーが急になくなる、点検の担当者がいなくなる、といった直接の影響は考えにくいと思います。
保証や部品供給についても、メーカー保証は販売した車に対する約束ですし、ボルボ・カーズが事業を続ける限り部品の供給は続きます。私がV90に乗っていたときは、セルモーターの故障やステアリングスイッチの不具合を保証で直してもらいました。あの安心感がなくなるなら大問題ですが、今回の発表にそうした話は一切出ていません。
| 気になるポイント | 影響の見込み | 理由 |
|---|---|---|
| ディーラー・点検 | 小さい | 削減の中心はスウェーデン本社・開発。販売店は別会社 |
| メーカー保証 | 小さい | 保証内容の変更は発表されていない |
| 部品供給 | 小さい | 事業は継続。ジーリーとの部品共通化はむしろ拡大 |
| 新型車の日本導入時期 | 注意 | 開発費・投資の抑制で、導入時期や車種が絞られる可能性 |
| リセール(売却価格) | 車種次第 | ニュースより車種・パワートレーン・年式の影響が大きい |
ひとつだけ気にしておきたいのは、ソフトウェアやサービスの開発ペースです。開発部門も削減の対象に含まれているはずなので、OTAアップデートの頻度などに影響が出る可能性はゼロではありません。ここは今後の様子を見ていくしかないですね。
リセールへの影響はニュースより車種次第
オーナーとしていちばん気になるのは、たぶん「売るときの値段が下がるんじゃないか」だと思います。私もV90を売るとき、相場の数字を見て胃が痛くなった経験があるので、その不安はよくわかります。
ただ、中古車の買取価格を決めるのは、基本的に国内の中古車市場での需要です。車種の人気、走行距離、年式、パワートレーン(ガソリン・PHEV・EV)の違いのほうが、海外の人員削減ニュースよりずっと大きく効きます。実際、私がV90を売ったときは、同じ車でも買取業者によって最安と最高で63万円の差がつきました。ブランドのニュースで数万円動くかどうかより、どこに売るかのほうが金額への影響は大きかったんです。
なので「ニュースが出たから急いで売らなきゃ」と焦る必要はないと思います。乗り換えを考えているなら、まずは今の相場を確認して、複数の業者で査定を比べる。それだけで、ニュースの影響よりずっと大きな金額の差を自分でコントロールできます。
僕がV90を売却した「輸入車買取センター」
もし、今あなたが輸入車(ボルボ、ベンツ、BMWなど)にお乗りなら、僕が実際に使った「輸入車買取センター」
を強くおすすめします。
理由はシンプルで、対面でのやり取りが無いためスケジュール調整の手間なし。対応の手間なし。しかも高かったからです。

僕のV90は、公式サイトにも「お客様の声」として掲載されています。
スマホで外装と内装の写真を撮って送るだけで、すぐに査定額が出ました。あとは電話で少しやり取りするだけで、面倒な現車確認の駆け引きもありません。
一括査定サービスで同一時間に各社(僕の時は3社でした)に来てもらって同時査定をしたり、ボルボを専門的に取り扱っている販売店に行き査定をしてもらったり、オークション出品サービスなど、色々なサービスを使って査定をしてもらいました。
最終的に他社査定のなかで最も高い金額の1万円高い金額を提示していただき、ここに決めました。輸入車の価値を本当に分かってくれる、信頼できるサービスだと感じます。
購入資金を少しでも多く確保するために、試してみる価値は絶対にあります。

これから買う人が気をつけたいこと
これからボルボを買おうとしている方に向けて、私が気をつけたいと思うポイントをまとめておきます。新車でも中古でも、ブランドのニュースより「この車を何年、どう乗るか」を軸に決めるのが一番だと思っています。
- 新車なら、メーカー保証の期間と内容を契約前に確認する
- 中古なら、認定中古車(SELEKT)の保証付きを優先する
- 新型車を待つなら、日本導入時期が未発表の車種は「出る前提」で予定を組まない
- 今の車を売るなら、ディーラー下取りと買取業者の査定を両方取って比べる
私がV90を中古で買ったとき、SELEKTで2年保証をつけておいたのは本当に正解でした。保証がなかったらと思うと、今でもちょっとゾッとします(笑)。会社が苦しい時期だからこそ、保証やサポートで守られている状態で乗る、というのは大事な考え方だと思います。
逆に、値引きについては少し期待していいかもしれません。中国や米国で苦戦している分、販売を伸ばせている市場でしっかり売りたいはずです。ただしこれは私の推測で、実際の条件は時期や販売店によって変わるので、見積もりを取って確かめてください。
ボルボの今後の新型車計画|2030年までに13車種

暗い話ばかりではありません。ボルボ・カーズは2030年末までに新型車を13車種出す計画を掲げていて、今回の決算でもその中身が少し見えてきました。ただし、すべてが日本に来るわけではないので、そこも含めて整理します。
2027年に出る3台と、日本に来る可能性
発表によると、2027年には3台がお披露目される予定です。内訳は欧州向けが1台、中国専用が2台。13車種全体で見ると、報道では欧州や北米などの西側市場向けが7車種、中国向けが6車種とされています。
| 計画 | 時期 | 中身 | 日本導入の見込み(Tの見立て) |
|---|---|---|---|
| 新型車13車種 | 2030年末まで | 西側市場向け7、中国向け6(報道) | 西側向けの一部が対象になりそう |
| 2027年のお披露目 | 2027年 | 欧州向け1台、中国専用2台 | 中国専用2台は来ない前提で考えるのが無難 |
| 次のグローバルEV | 2027年夏以降に欧州で納車開始 | 大型で、より手頃な価格帯 | 未発表。期待はしたい |
| 中国専用車(ジーリーと共同開発) | 最初の2台を2027年半ばに公開・生産開始 | 共通プラットフォーム、中国向けソフトウェア | 日本向けではない |
| XC90・XC60の長距離PHEV | 欧州で2026年に納車 | EV走行距離を伸ばしたPHEV | 日本での発表はまだ(執筆時点) |
私が一番気になったのは「大型で、より手頃な価格帯」のグローバルEVです。名前も形もまだわかりませんが、もしこれがワゴンやセダン寄りのクルマだったら、と勝手に想像してワクワクしています(笑)。ボルボは新しいセグメントのクルマも出すと話しているので、続報を待ちたいところです。
注意したいのは、日本に入ってくるのは基本的に西側市場向けのモデルだという点です。中国専用車は中国のソフトウェアや機能を前提に作られるので、日本仕様として持ってくるのは考えにくい。13車種という数字をそのまま「日本で選べる車が13台増える」と読まないほうがいいと思います。
EX60の日本導入はどうなる?
日本のボルボファンがいま一番待っているのは、やはりEX60だと思います。2026年1月に世界初公開された新世代の電気SUVで、日本には2026年中に導入予定と案内されてきました。ただ、執筆時点で日本での価格や発売日はまだ発表されていません。
今回の決算では、欧州での受注が5万台を超えた一方で、生産の立ち上がりが計画より遅れていると説明されています。欧州の注文をさばくだけでも手いっぱいの状態なら、日本向けの割り当てが後回しになる可能性はあります。これはあくまで私の推測ですが、「2026年中に乗れる」と決め打ちして今の車の車検や売却の予定を組むのは、少し慎重になったほうがいいと思っています。
EX60の価格予想やXC60との違いはボルボEX60完全ガイドにまとめています。日本ではすでにES90とEX90が2026年7月に発売されているので、大きめの電動車を検討している方はES90・EX90の発売情報もあわせて見てみてください。
ジーリーとの共通化で、ボルボらしさは残るか
部品共通化を30%まで広げる、工場で他ブランドの車も作る。こう聞くと「ボルボがボルボじゃなくなるんじゃないか」と心配になる方もいるはずです。正直、私も少しだけそう思いました。
ただ、共通化される部品の多くは、見えない場所の部品や電子部品が中心になるはずです。私がV90に惚れ込んだのは、流れるようなサイドライン、本物の木を贅沢に使った内装、B&Wオーディオに包まれる感覚でした。そういうボルボらしさを作っているデザインや安全の考え方まで共通化する、とは今回の発表のどこにも書かれていません。
- 共通化が進みそうなもの:プラットフォーム、電子部品、サプライチェーン
- ボルボが守りたいもの:デザイン、安全思想、ブランドの世界観
- 追い風の材料:ポールスターで7年過ごしたトーマス・インゲンラート氏がボルボのデザイン責任者に復帰
インゲンラート氏は、私が大好きなSPA世代のデザインを作った人です。2027年には新しいデザイン言語を示すコンセプトカーも出てくる予定だと報じられていて、厳しい時期だからこそ、ここで「やっぱりボルボだよね」と言わせる一台を見せてほしいなと思っています。
まとめ|ボルボの人員削減をどう受け止めるか

最後に、今回のニュースで変わりそうなことと、変わらないことを整理しておきます。
ボルボの人員削減で変わること・変わらないこと
| 変わりそうなこと | 変わらないこと |
|---|---|
| 本社・開発の体制がスリムになる | 日本のディーラーでの点検・修理 |
| ジーリーとの部品・工場の共有が進む | メーカー保証と部品供給 |
| 中国向けは中国専用車中心に | 日本で売られる車は西側市場向けモデル |
| 新型車の日本導入時期は読みにくくなる | リセールを決めるのは車種・状態・売り方 |
ボルボの人員削減は、中国と米国の不振を受けた「会社の作り直し」です。赤字や株価の下落は本当に痛いですし、ここから2年ほどは厳しい時期が続くと思います。一方で、日本の販売は前年を上回っていて、ディーラーや保証が急に変わる話でもありません。
ニュースの見出しだけを見るとドキッとしますが、数字を一つずつ見ていくと、私たち日本のオーナーが今すぐ何かを決めなきゃいけない話ではない、というのが私の結論です。私自身、V90を買い戻すという目標は何も変わっていません。むしろ、苦しい時期に作られる新型車がどんなクルマになるのか、楽しみな気持ちのほうが少し大きいくらいです。
今回の数字は、ボルボ・カーズの公式発表(出典:Volvo Cars Q3 2026 プレスリリース)をもとにしています。日本での新型車の導入や価格の最新情報は、ボルボ・カー・ジャパンの公式サイトで確認してくださいね。同じボルボ好きとして、続報が出たらまたここで整理します。


コメント