こんにちは、Tです。
かつてボルボV90のオーナーだった僕にとって、ボルボというブランドは今でも特別な存在です。その中でも、XC60は街中でも扱いやすく、デザインも洗練されていて、本当にバランスの取れた一台ですよね。
ただ、いざXC60を検討し始めると、「PlusとUltraってどう違うの?」「Inscriptionっていうのも聞くけど…」と、グレードの名前で少し戸惑ってしまうことがあるかもしれません。僕も最初はそうでした。
ボルボのグレード名は時期によって呼び方が変わることもあるので、混乱してしまう気持ちはとてもよく分かります。でも、ポイントさえ押さえれば、それぞれの違いは意外とシンプルなんです。
この記事では、元オーナーの視点も交えながら、XC60のグレードごとの違いを分かりやすく紐解いていきたいと思います。この記事を読み終える頃には、きっとあなたにピッタリの一台が見つかるはずです。
- XC60の最新グレード構成がスッキリわかる
- 主要グレードの装備や内装の違いが明確になる
- 中古車選びで失敗しないポイントが学べる
- 自分に最適な一台を見つけるヒントが得られる

ボルボXC60のグレードによる違いを徹底比較

- まずは現行のグレード一覧をチェック
- 最上級グレードの装備はここまで違う
- モメンタムとインスクリプションの違い
- Ultraとインスクリプションの違い
- スポーティな走りの「R-Design」とは?
- パワフルなディーゼルモデルの性能
まずは現行のグレード一覧をチェック

まずは、現在のXC60のグレード構成を見てみましょう。ここを押さえておくと、新車も中古車もグッと比較しやすくなります。
現在の日本仕様(MY26)で選べるグレードは、とてもシンプル。大きく分けて以下の2種類が基本です。
- Plus(プラス): 充実装備のベースグレード
- Ultra(ウルトラ): 豪華仕様の上級グレード
2022年の移行期には「Ultimate(アルティメット)」と呼ばれていましたが、最新モデルでは「Ultra」という名称になっています。
そして、これにパワートレイン(エンジンの種類)と駆動方式の組み合わせが加わります。
グレード | パワートレイン | 駆動方式 | 特徴 |
Plus B5 | マイルドハイブリッド (ガソリン) | FWD | 快適装備が充実した標準モデル |
Ultra B5 AWD | マイルドハイブリッド (ガソリン) | AWD | 豪華装備とAWDを備えた上級モデル |
Ultra T6 AWD Plug-in hybrid | プラグインハイブリッド | AWD | 豪華さと環境性能を両立した最上級PHEV |
中古車市場ではまだまだMomentumやInscriptionが主流なので、これらの違いも後ほど詳しく解説していきますね。
最上級グレードの装備はここまで違う
せっかくボルボに乗るなら、やっぱり内装にはこだわりたいですよね。最上級グレードの「Ultra」は、そんな期待にしっかり応えてくれるモデルだと思います。
僕が乗っていたV90も豪華仕様のInscriptionでしたが、ボルボの上級グレードが作り出す室内の空気感は、本当に特別なものがあります。
現行モデルのUltraで特に魅力的だと感じるのは、以下の装備です。
- ナッパレザー・シート&前席リラクゼーション(マッサージ)機能
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https://www.volvocars.com/jp/cars/xc60/interior-design/ ボルボの上級グレードを選ぶ最大の理由の一つかもしれません。かつて乗っていたV90 inscriptionもこの仕様でしたが、長距離を運転した時の体の疲れ方が全く違うんです。
きめ細かく柔らかなナッパレザーに身を任せ、シートに内蔵されたマッサージ機能で背中や腰を優しくほぐしてもらう時間は、まさに至福のひとときでした。渋滞中ですら、少しだけ特別な時間に変えてくれる。この心地よさは、一度体験すると本当にやみつきになりますね。※マッサージ機能は前2席のみ
- ヘッドアップディスプレイ
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運転中に必要な情報(速度やナビの案内など)がフロントガラスに表示される機能です。視線移動が少なくなるので、安全運転にも繋がります。これはUltra系グレードに標準で装備されています。※Plusだとオプション設定もありません。
一方で、さらに特別な体験を求めるなら、オプションも魅力的です。
- Bowers & Wilkinsプレミアムサウンド・オーディオシステム
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https://www.volvocars.com/jp/cars/xc60-hybrid/interior-design/ 僕がV90で最も気に入っていた装備の一つです。これはUltra系グレードで選択できるメーカーオプションですが、まるでコンサートホールにいるかのような臨場感で、いつものドライブが特別な時間になります。音楽好きの方なら、これを選ぶだけでも満足度はかなり高いと思いますが、音楽好きではなくても、インテリアとしてのドレスアップ効果も高いのでおすすめです。価格は39万円です。(まあ高い。。笑)
もちろん価格は上がりますが、日々の運転で常に触れたり、感じたりする部分の満足度が大きく変わってきます。長く乗ることを考えると、Ultraは非常に魅力的な選択肢だと思います。
モメンタムとインスクリプションの違い

https://koshigaya.vc-dealer.jp/news/3820/

中古のXC60を探していると、必ず目にするのが「Momentum(モメンタム)」と「Inscription(インスクリプション)」というグレード名ですね。これは、現在の「Plus」と「Ultra」に相当する、以前の呼び方です。
ざっくり言うと、このような位置づけになります。
- Momentum: スタンダードなグレード
- Inscription: 豪華な上級グレード
両者の違いは、主に内外装の仕上げや装備にあります。例えばフロントグリルは、Momentumがブラック基調の縦格子、Inscriptionがクロームをあしらった縦格子、という傾向が見られます。ただ、これは年式や特別仕様車によってもデザインが異なるため、あくまで一般的な違いとして捉えるのが良いかもしれません。
内装の違いはより明確です。
比較項目 | Momentum | Inscription |
シート素材 | テキスタイル・コンビネーション or 本革 | パーフォレーテッド・ファインナッパレザー |
シート機能 | – | ベンチレーション機能、マッサージ機能 |
オーディオ | ハイパフォーマンス・オーディオ | ハーマン・カードン プレミアムサウンド(B&WはOP) |
ホイール | 18インチが標準 | 19インチが標準 |
一番分かりやすいのはシートの素材ですね。Inscriptionは明らかにワンランク上の質感が与えられています。僕のV90もInscriptionでしたが、あの本革の柔らかさや、ドリフトウッドパネルの温かみのある雰囲気は本当に心地よかったです。
ただ、Momentumのシンプルな内装も、いかにも北欧デザインらしくて素敵なんですよね。ファブリックとレザーを組み合わせたシートもオシャレですし、ボルボらしさをシンプルに楽しみたい方には、Momentumもすごく良い選択だと思います。
Ultraとインスクリプションの違い

https://www.volvocars.com/jp/cars/xc60/
「じゃあ、中古のInscriptionと、新しいUltraって何が違うの?」という疑問も出てきますよね。
結論から言うと、この2つは実質的に後継グレードなので、基本的な装備のレベルや豪華さの方向性は同じです。
一番大きな違いは、インフォテインメントシステム(ナビやオーディオを操作する画面)ですね。ボルボは2021年9月1日にGoogleを搭載した新しいシステムを発表しました。
- Inscription(2021年MC前まで): SENSUS(センサス)というボルボ独自のシステム
- Ultra(2021年MC以降): Google 搭載のAndroidベースのシステム
新しいGoogle搭載モデルは、Googleマップがそのまま使えたり、「OK、Google」で音声操作ができたりと、使い勝手が大きく向上しています。特にナビの性能は、多くの方が最新モデルのメリットを感じる部分かもしれません。
それ以外は、年次改良による細かな装備のアップデートが中心で、グレードのコンセプトが大きく変わったわけではありません。
Googleのシステムに魅力を感じるならUltra、価格を抑えつつ豪華な装備を楽しみたいならInscription、という選び方が一つの基準になりそうです。
スポーティな走りの「R-Design」とは?

さて、中古車を探していると、もう一つ「R-Design(アールデザイン)」というグレード名を目にすることがあると思います。これは現在のラインナップにはありませんが、かつてボルボの各モデルに設定されていた、走りに特化したスポーツグレードです。
もし、豪華さの「Inscription」と、標準の「Momentum」の中間、というわけではなく、全く別のベクトルを持つ選択肢と考えてもらうと分かりやすいかもしれません。
「Inscription」がラグジュアリーなら、「R-Design」は紛れもなくスポーティ。 ドイツ車でいうところのMスポーツやS-lineのような位置づけに近いですね。ただ、そこはやはりボルボ。ただ硬派なだけでなく、どこか知的な雰囲気を残しているのが大きな魅力だと僕は思います。
具体的には、内外装から足回りまで、数多くの専用装備が与えられています。
項目 | R-Designの主な専用装備 |
外観 | ・グロッシーブラック仕上げの専用フロントグリル&ウィンドウトリム ・スポーティなデザインの専用フロント&リアバンパー ・専用デザインの大径アルミホイール(21インチなど) |
内装 | ・体をしっかり支える専用スポーツシート ・専用の本革スポーツステアリング&シフトノブ ・メタルメッシュ・アルミニウムパネル ・チャコールカラーのヘッドライナー(天井の内張り) |
足回り | ・専用スポーツ・サスペンション |
特に注目したいのは、やはり専用のスポーツシートと足回りです。
シートは、Inscriptionのラグジュアリーな座り心地とは対照的に、体をしっかりとホールドしてくれる形状になっています。ワインディングを走るときなど、運転の楽しさをダイレクトに感じられる作りですね。
そして、専用セッティングのスポーツ・サスペンション。これにより、Inscriptionと比べると乗り味は少し引き締まった印象になります。路面の状況がよりダイレクトに伝わってくる感覚は、まさにスポーツグレードならでは。それでいて、ボルボらしい快適性を失っていないバランス感覚は見事だと思います。
僕自身は、V90を選ぶときにリビングのような心地よさを求めていたのでInscriptionを選びましたが、もし「SUVでもキビキビとした走りを楽しみたい」という気持ちが強かったら、間違いなくR-Designに心を奪われていたはずです。
デザインの好みは分かれるかもしれませんが、「走り」という明確な個性を持つR-Designは、中古車市場で今もなお、根強い人気を誇る魅力的な選択肢の一つですね。
パワフルなディーゼルモデルの性能
最近のボルボは電動化に舵を切っていますが、少し前までラインナップされていたディーゼルエンジン「D4」も、忘れてはいけない存在です。
特にXC60のようなSUVとの相性は抜群でした。ディーゼルエンジンの魅力は、なんといっても力強いトルクと燃費の良さですね。
- 力強い加速
-
アクセルを少し踏んだだけでも、グッと前に押し出されるような感覚はディーゼルならでは。特に坂道や高速道路の合流で、その頼もしさを感じられると思います。
- 優れた燃費
-
ガソリンモデルと比べて燃料代を安く抑えられるのは、大きなメリットです。長距離ドライブが多い方ほど、その恩恵を感じやすいかもしれません。(2代目(2017年10月以降)のD4 AWDモデル:JC08モード燃費:16.1km/L)
- 静粛性
-
昔のディーゼルのような「ガラガラ音」はほとんどなく、室内はとても静かです。言われなければディーゼルだと気づかないくらい洗練されていましたね。ただ、外で聞くとそれなりにディーゼルの音がします。
現在はグローバルの方針で新車での販売を終了してしまいましたが、中古車市場ではまだまだ人気があります。力強い走りを求める方や、燃料代を抑えたい方にとっては、今でも非常に魅力的な選択肢だと思います。
購入後に後悔しないボルボXC60グレードの違い

- グレードで異なる燃費と維持費
- ボディのサイズ比較と注意点
- 把握しておくべきXC60の欠点
- 前期・後期と中古の狙い目を解説
- 次期フルモデルチェンジはいつ頃か
- まとめ:ボルボXC60のグレードの違い
グレードで異なる燃費と維持費

クルマを選ぶ上で、燃費や維持費はやっぱり気になるところですよね。XC60は同じエンジンタイプでも駆動方式によって数値が少し変わってくるので、しっかり比較したいポイントです。
現在の最新モデル(MY26)の公式なWLTCモード燃費を見てみましょう。
グレード | WLTCモード燃費 (km/L) |
XC60 Plus B5 (FWD) | 13.3 km/L |
XC60 Ultra B5 AWD | 12.8 km/L |
XC60 Ultra T6 AWD Plug-in hybrid | 14.3 km/L |
そして、プラグインハイブリッドであるT6モデルの大きな魅力は、なんといってもモーターだけで走れる距離です。このEV走行換算距離は、81kmとされています。
日常的な買い物や片道30km程度の通勤であれば、ほとんどガソリンを使わずに電気自動車として毎日を過ごすことも現実的だと思います。僕もV90オーナー時代、もしこれだけの距離を電気で走れたなら、ガソリンスタンドに行く回数はかなり減っていただろうなと感じます。
維持費については、T6 プラグインハイブリッドはエコカー減税の対象になるので、購入時の税金が優遇されるのが嬉しいポイントですね。
もちろん、プラグインハイブリッドは車両価格が高めなので、初期費用と日々のランニングコストのバランスを考える必要があります。ご自身の年間走行距離や、ご自宅に充電設備を設置できるか、といったライフスタイルに合わせて選ぶのが、一番後悔しない選択だと思います。
ボディのサイズ比較と注意点
XC60のボディサイズは、パワートレインによって全幅が異なります。これは最新モデル(MY26)でも同様で、駐車場によっては重要な違いになるかもしれません。
パワートレイン | 全長 | 全幅 | 全高 |
B5 (マイルドハイブリッド) | 4,710 mm | 1,900 mm | 1,660 mm |
T6 (プラグインハイブリッド) | 4,710 mm | 1,915 mm | 1,660 mm |
このように、T6 プラグインハイブリッドの方が全幅が15mm広くなっています。
わずか1.5cmの差ですが、日本の道路環境、特に都内のコインパーキングや昔ながらの機械式駐車場だと、この差が気になってくる場面があるかもしれません。
僕が乗っていたV90も全幅が1,890mmでしたが、それでも少し気を使う場面はありました。購入を検討する際は、普段よく使う駐車場のサイズ(特に幅)を一度確認しておくと安心ですね。
ただ、運転席からの見晴らしはとても良いですし、360°ビューカメラも付いているので、慣れてしまえば取り回しに苦労することは少ないと思います。最小回転半径も5.7mと、このクラスのSUVとしては標準的です。
把握しておくべきXC60の欠点

どんなに良いクルマにも、少し気になるところはあるものです。誠実な情報をお伝えしたいので、XC60でよく耳にする点もいくつか挙げておきたいと思います。
- ナビゲーションシステム
-
これはXC60を選ぶ上で、年式によって評価が分かれるポイントかもしれません。Google搭載以前の「SENSUS」ナビは、少し動作が遅かったり、地図情報が古かったりするという声がありました。ただ、Apple CarPlayやAndroid Autoを使えば、スマホのナビアプリを画面に表示できるので、大きな問題にはならないかもしれません。
一方で、新しいGoogle搭載モデルなら全てが完璧かというと、実はそうでもない、という声も耳にしますね。具体的には、「GPSの測位が不安定になる」「ルート案内中に目的地が消える」「システムがフリーズして再起動が必要になる」といった不具合が報告されているようです。ソフトウェアに起因する問題が多いようです。ただ、常にアップデートがされるので、最近は安定してきたようにも思います。
- 後席のリクライニング
-
XC60の後席は、リクライニング機能がありません。公式のマニュアルにも、背もたれの角度調整に関する記載はなく、分割で前に倒せる機能のみとなっています。長距離を移動することが多いなら、一度ご家族と一緒に後席の座り心地を試してみるのがおすすめです。
- 細かな収納スペースの少なさ
-
デザインがスッキリしている分、国産車のように「気が利いた」収納スペースは少し少ないかもしれません。
もちろん、これらが気にならないという方もたくさんいます。大切なのは、購入する前にこうした点を把握しておいて、自分にとって許容できる範囲かどうかを判断することだと思います。

前期・後期と中古の狙い目を解説
中古のXC60を探していると、必ず突き当たるのが「前期モデルと後期モデル、どちらが良いんだろう?」という悩みですよね。
現行の2代目XC60は2017年10月に日本でデビューし、2021年に内外装やパワートレインに手が入る大きなマイナーチェンジを実施しました。この変更点をしっかり理解することが、後悔しない一台選びの、まさに鍵になると思います。
見た目の好みはもちろん、日々の使い勝手や走りのフィーリングにも関わる部分なので、一緒にじっくり見ていきましょう。
一目でわかる、前期・後期の主な変更点
まずは、どこが大きく変わったのか、下の表でポイントを押さえてみてください。
項目 | 前期モデル(2017年10月~2021年8月頃) | 後期モデル(2021年9月頃~) |
外観デザイン | クローム加飾が多め、マフラーが見える | 加飾がシンプルに、マフラーが見えないデザインへ |
インフォテインメント | SENSUS(センサス) | Google搭載 |
パワートレイン | ガソリン(T5)、ディーゼル(D4)、PHEV(T8)など | 48Vマイルドハイブリッド(B5/B6)、PHEV(T6)が中心 |
ぱっと見は同じように感じるかもしれませんが、実はオーナーの満足度に直結する重要な変更が多いんですよね。一つずつ、もう少し詳しく見てみましょう。
よりモダンに進化した、外観デザイン
一番分かりやすいのは、フロントとリアのデザインかもしれません。
前期モデルは、フロントバンパー下部にクロームの加飾があったり、リアバンパーからマフラーの先端(エクゾースト・パイプ)がしっかり見えたりと、比較的華やかでメカニカルな印象でした。
それが後期モデルになると、フロントの加飾がよりシンプルでスポーティな造形に変わり、リアはマフラーがバンパー内部に隠されるデザインになりました。これはボルボが電動化へ進む姿勢をデザインで表現しているもので、よりクリーンでモダンな雰囲気になったと感じます。
最大の変化点、インフォテインメントシステム

https://www.webcg.net/articles/gallery/37798#image-4

筆者撮影(画像はV90)
僕が後期モデルの最も大きなメリットだと感じるのが、このインフォテインメントシステムです。
2021年のマイナーチェンジを機に、従来の「SENSUS(センサス)」というボルボ独自のシステムから、Androidをベースにした「Google搭載」のシステムに一新されました。
これは本当に大きな変化で、使い慣れたGoogleマップがそのまま車載ナビとして使えたり、「OK、Google」と話しかけるだけでナビの設定やエアコンの操作ができたりします。僕もV90のSENSUSナビに少しだけ手こずった経験があるので、このストレスフリーな操作性は、正直とても羨ましいです。
走りの質感を高めた、パワートレイン
後期モデルからは、パワートレインの主力が「B5」や「B6」といった48Vマイルドハイブリッドになりました。
これは、従来のガソリンエンジンに、小さなモーター機能を持つ「ISG(インテグレーテッド・スターター・ジェネレーター)」を組み合わせたものです。このISGが、発進や加速の時にさりげなくエンジンを補助してくれるので、走り出しが驚くほど滑らかになります。
また、アイドリングストップからの再始動も非常に静かでスムーズ。街中でのストップ&ゴーが多い方ほど、この上質な走りの恩恵を感じやすいかもしれませんね。
【Tの考察】では、中古の狙い目はどこか?
ここまで違いを見てきましたが、「じゃあ、結局どのモデルが一番良いの?」となりますよね。
これは本当に難しい問題で、予算やクルマに何を求めるかによって「正解」は変わってくると思います。そこで、僕なりに「もし今、自分がXC60を選ぶなら」という視点で、魅力的な3つの選択肢を考えてみました。
狙い目①【バランス重視派へ】:2020年〜2021年初頭の前期最終「Inscription」
まず僕が一番におすすめしたいのが、マイナーチェンジ直前の前期最終モデル、特に豪華仕様の「Inscription」です。
- 熟成された豪華装備
- 僕がV90で愛用していた、マッサージ機能付きのナッパレザーシートはこの上ない魅力です。この年式はモデル末期ということもあり、初期モデルにあった細かな不具合も解消され、装備と品質が最も安定している時期だと思います。高額オプションのB&Wのオーディオシステムが装備された個体も、価格がこなれているのでおすすめです。
- こなれてきた価格
- 新車価格を考えると、かなり現実的な価格帯まで下がってきており、コストパフォーマンスは非常に高いと感じます。
- ナビの問題も解決可能
- 懸念点のSENSUSナビも、Apple CarPlayやAndroid Autoを繋いでしまえば、スマホのナビアプリが使えるので実用上の不便はほとんどありません。
まさに「熟成されたボルボ本来の魅力を、最も賢く味わえる一台」と言えるかもしれません。
狙い目②【新しさと滑らかさ重視派へ】:2021年9月以降の後期モデル
やはり最新のシステムと走りを体験したい、という方には後期モデルがおすすめです。
- Google搭載の快適性
- 日々の運転でナビを多用する方にとって、このメリットは何物にも代えがたいと思います。
- マイルドハイブリッドの上質な走り
- 特に街乗りメインの方なら、後期モデルの滑らかな走行フィールは、日々の運転の質を確実に高めてくれます。
価格はまだ少し高めですが、その分、長期的な満足度は高いはず。ボルボ独自の厳しい基準をクリアした「SELEKT(認定中古車)」で、手厚い保証付きの車両を探すのも賢い選択ですね。
狙い目③【力強さと経済性重視派へ】:前期ディーゼル「D4」モデル
最後に、忘れてはいけないのが前期モデルに設定されていたディーゼル「D4」です。
- 溢れるトルクと高速巡航性能
- アクセルを少し踏み込むだけで、車体をグッと前に押し出す力強い加速感はディーゼルならではの魅力です。高速道路をゆったりと巡航する時の安定感と静粛性は、本当に素晴らしいものがあります。
- 経済性
- 燃料が軽油なのでガソリン代を抑えられ、燃費自体も良好です。長距離ドライブが多い方には、最高の相棒になると思います。
- 希少価値
- このパワフルで経済的なディーゼルエンジンは、もう新車で手に入れることはできません。「この走り味が好きだ」という方にとっては、今後ますます価値のある選択肢になっていくかもしれませんね。
どのモデルにも、それぞれにしかない確かな魅力があります。ぜひ、この情報を参考に、ご自身のライフスタイルに寄り添ってくれる最高の一台を見つけてくださいね。
次期フルモデルチェンジはいつ頃か
「今XC60を買って、すぐに新型が出たら…」というのは、誰もが気になるところですよね。
2025年現在、ボルボから次期XC60に関する公式な発表はありません。
ただ、最近のボルボはEX90やEX30といった新型の電気自動車(BEV)を続々と発表しています。この流れから考えると、次期XC60も完全な電気自動車になる可能性が非常に高いと思います。
登場時期についてはあくまで憶測ですが、2025年以降、おそらく2026年頃になるのではないか、というのが大方の見方です。
言い換えれば、上質なガソリンエンジンやプラグインハイブリッドのXC60に乗れるのは、現行モデルが最後になるかもしれません。
現行モデルのデザインは本当に完成度が高いですし、「やっぱりエンジン車が良い」と考えている方にとっては、まさに今が買い時、と言えるのかもしれませんね。
まとめ:ボルボXC60のグレードの違い
最後に、この記事のポイントをまとめておきます。あなたのXC60選びの参考になれば嬉しいです。
- 現行XC60のグレードはPlusとUltraが基本
- Plusは充実装備のベースグレード
- Ultraは豪華仕様の上級グレード
- Plus B5はFWD、Ultra B5はAWD
- B5の全幅は1,900mm、T6 PHEVは1,915mm
- 中古市場ではMomentumとInscriptionが主流
- Momentumはスタンダード、Inscriptionは豪華仕様
- 2021年のMCでGoogle搭載インフォテインメント導入
- MC後のパワートレインは48Vマイルドハイブリッドが中心
- 最上級UltraはナッパレザーやHUDが標準
- B&WオーディオはUltraで選択できるメーカーオプション
- ディーゼルD4はトルクフルで中古車市場で人気
- T6 PHEVのEV走行距離は約81km
- 後席にリクライニング機能はない
- 次期型は電気自動車(BEV)になる可能性が高い
ボルボXC60は、どのグレードを選んでも、その安全性や美しいデザイン、そして心地よい走りといった本質的な価値は変わりません。大切なのは、あなたのライフスタイルや価値観に、どのグレードが一番しっくりくるか、ということだと思います。
ぜひ、じっくりと楽しみながら、あなただけの一台を見つけてください。

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