ボルボV90、その洗練されたデザインと高い安全性に惹かれる人は多いかもしれません。ただ、実際に購入を考えるとき、気になるのはやはり維持費のことだと思います。特に輸入車となると、どれくらいの費用がかかるのか、少し不安になりますよね。
この記事では、ボルボV90を維持するために必要な年間の費用について、詳しく見ていきたいと思います。具体的には、税金や保険料はもちろん、日々の燃費コストから定期的な車検費用、そしてメンテナンス費用までを解説します。
また、突発的な出費となる可能性のある故障修理代や、交換費用が高額になりがちなタイヤ交換についても触れていきます。さらに、具体的な維持費シミュレーションを通じて年間の総額をイメージし、人気のV60との比較や国産車比較も交えながら、V90の維持費のリアルな姿をお伝えできればと思います。
- V90にかかる税金や保険料など具体的な維持費の内訳
- 年間維持費のシミュレーションと総額の目安
- V60や国産高級車との維持費の違い
- 維持費を考える上での注意点やポイント

ボルボV90の維持費は高い?内訳を徹底解説

- V90の税金(自動車税・重量税)はいくら?
- 年間でかかるV90の保険料の目安
- 実燃費から計算する年間の燃費コスト
- ディーラーで受ける車検費用はどのくらい?
- 定期的にかかるメンテナンス費用と消耗品
V90の税金(自動車税・重量税)はいくら?
ボルボV90を所有すると、定期的に納める必要のある税金があります。これは車の維持費を考える上で、避けては通れない固定費の一つですね。具体的には、毎年支払う「自動車税(種別割)」と、新車購入時や車検のタイミングで支払う「自動車重量税」の2つが主なものになります。
ただ、実は車に関わる税金はもう一つ、購入時にかかる「環境性能割」というものもあります。ここでは、これら3つの税金がV90の場合にそれぞれいくらくらいになるのか、そしてグレードによってどのような違いが生まれるのかを、一つひとつ分かりやすく見ていきたいと思います。
自動車税(種別割):毎年春に支払う税金

まず、自動車税(種別割)は、毎年4月1日時点での車の所有者に対して課せられる税金です。これはお住まいの都道府県に納めるもので、税額はエンジンの総排気量によって決められています。
V90の現行モデルは、マイルドハイブリッドの「B5」や「B6」、そして外部からの充電が可能なプラグインハイブリッドの「Recharge」モデルがラインナップされています。面白いことに、これらのパワートレインはすべて同じ2.0L(1,968cc)のエンジンをベースにしています。そのため、どのグレードを選んでも、税金の区分は「1.5リットル超~2.0リットル以下」に該当します。
2019年10月1日の税制改正以降に新車登録された車の場合、この区分の自動車税は年間36,000円です。V90は比較的新しいモデルなので、中古車で購入する場合でも、ほとんどの車両がこの金額になると考えて良いと思います。
プラグインハイブリッドモデルの優遇措置
ここで一つ、知っておくとお得な情報があります。それは「グリーン化特例」という制度です。これは、環境性能が特に優れた車に対して、新車登録された翌年度分の自動車税が軽減されるというものです。
V90のプラグインハイブリッドモデル(Recharge)は、この特例の対象となることが多く、その場合、新車で購入した次の年の自動車税が、おおむね75%軽減されます。つまり、本来36,000円のところが、約9,000円になる計算です。これは一度きりの優遇ですが、大きなメリットと言えるかもしれませんね。
自動車重量税と環境性能割:購入時と車検時にかかる税金

次に、自動車重量税ですが、これはその名の通り車の重さに応じて課せられる国税です。新車購入時と、その後は2年ごとの車検の際に、次の車検満了までの期間分をまとめて支払います。
V90の車両重量はグレードによって多少異なりますが、およそ1,800kg前後です。そのため、重量税の区分では「1.5トン超~2.0トン以下」に該当し、エコカー減税が適用されない場合の基本税額は、2年分で32,800円となります。
そして、この重量税と密接に関係するのが、購入時にかかる「環境性能割」と、国が定める「エコカー減税」です。
エコカー減税と環境性能割の仕組み
環境性能割は、車の燃費性能などに応じて、購入時にかかる税金です。税率は環境性能が良いほど低くなります。そしてエコカー減税は、環境性能に優れた車に対して、主に自動車重量税を軽減または免除する制度です。
V90の場合、この二つの制度の恩恵は、パワートレインによって大きく異なります。
- プラグインハイブリッド(Recharge)モデルの場合
- 環境性能が非常に高いと評価されているため、多くの場合、購入時の環境性能割は「非課税(0円)」となります。さらに、エコカー減税によって、新車登録時と初回車検時の自動車重量税は「免税(100%減税)」、つまり0円になることがほとんどです。税金面での優遇は非常に大きいですね。
- マイルドハイブリッド(B5, B6)モデルの場合
- こちらのモデルも十分に環境性能は良いのですが、プラグインハイブリッドほどではありません。そのため、環境性能割は非課税にはならず、車両の取得価額に対して1%~2%程度の税率がかかることが一般的です。また、エコカー減税による重量税の軽減も、適用されない年式・グレードが多いかもしれません。
税額の比較まとめ
これらの情報をまとめると、V90の税金はパワートレインによって、特に初期費用において大きな差が出ることが分かります。
税金の種類 | マイルドハイブリッド(B5など) | プラグインハイブリッド(Recharge) | 備考 |
自動車税(年額) | 36,000円 | 36,000円 | ※PHEVは新車登録翌年に限り約75%軽減の可能性あり |
環境性能割(購入時) | 課税(取得価額の1~2%) | 非課税(0円) | 購入時の初期費用に差が出る |
自動車重量税(2年分) | 32,800円 | 0円(免税) | ※初回車検時も免税の可能性あり |
このように考えると、V90の税金は、マイルドハイブリッドモデルであれば他の2.0Lクラスの車と大きく変わらないと言えます。一方で、プラグインハイブリッドモデルを選ぶと、国からの優遇措置によって税金の負担を大幅に軽減できる、ということが言えそうです。
年間でかかるV90の保険料の目安

車の維持費の中で、税金と並んで大きな割合を占めるのが保険料かもしれません。これは単なる出費ではなく、万が一の事態からご自身の財産と生活を守るための、大切な投資とも言えます。保険には、法律で加入が義務付けられている「自賠責保険」と、ご自身の判断で補償内容を選んで加入する「任意保険」の2種類があります。
ここでは、それぞれの保険がどのような役割を持っているのか、そしてV90の任意保険料はどのような仕組みで決まるのかを、具体的な数値を交えながら、より深く掘り下げてみたいと思います。
自賠責保険:すべての車が加入する基本的な保険
まず、自賠責保険は「強制保険」とも呼ばれ、車を所有するすべての人が必ず加入しなければならない保険です。これは主に、交通事故の「被害者」を救済することを目的としています。
そのため、補償される範囲は相手方の身体に対する損害、つまり治療費や慰謝料などに限定されています。補償には上限額があり、相手の車や物、あるいはご自身の車やケガについては一切補償されません。
保険料はどの保険会社で加入しても同じで、車検の際に次の車検までの期間分をまとめて支払うのが一般的です。自家用乗用車の場合、24ヶ月で17,650円(2023年4月改定時点)となっています。このように、自賠責保険はあくまで最低限の対人補償である、と理解しておくと良いでしょう。
任意保険:V90の価値を守るための重要な備え
自賠責保険だけではカバーしきれない広範囲なリスクを補うのが、任意保険の役割です。そして、この任意保険料こそが、個人の条件や選ぶ車によって大きく変わる部分です。保険料が決まる主な要因には、運転者の年齢や無事故歴(等級)などがありますが、V90の保険料を理解する上で非常に大切なのが、「料率クラス」という考え方です。
V90の料率クラスを具体的な数字で見る
料率クラスとは、車の「型式(モデル)」ごとに定められた、事故のリスクを数値化したものです。この数字が大きいほど「リスクが高い=保険料が高い」と判断されます。
では、ボルボV90の具体的な料率クラスを見てみましょう。
補償の種類 | V90 B5 Momentumなど (代表的な型式) | クラスの意味(数字が大きいほど高リスク) |
対人賠償 | 9 | 他人を死傷させてしまった場合のリスク |
対物賠償 | 9 | 他人の車や物を壊してしまった場合のリスク |
人身傷害・搭乗者傷害 | 9 | ご自身や同乗者が死傷してしまった場合のリスク |
車両保険 | 15 | ご自身の車が損害を受けた場合のリスク |
(※損害保険料率算出機構の2025年1月1日時点の参考純率。自家用普通乗用車の場合。型式や年式によって異なる場合があります。)
この表から分かる通り、「対人」「対物」「人身傷害」のクラスは9段階中の「9」で平均的な範囲ですが、「車両保険」のクラスが17段階中の「15」と、際立って高くなっています。
この「15」という数字こそが、V90の保険料、特に車両保険料が高くなる傾向があることの直接的な理由です。V90には世界をリードする先進安全技術が数多く搭載されており、バンパーやフロントガラスなどを少し損傷しただけでも、センサー類の交換や再設定に高額な修理費用がかかる可能性を、この数字が示唆しているのです。
料率クラスは保険会社で変わらないが、保険料は変わる
ここで一つ重要な点があります。この料率クラスの数字そのものは、「損害保険料率算出機構」という中立的な機関が日本全国の事故データを基に定めているため、どの保険会社で契約しても基本的には変わりません。
しかし、最終的に私たちが支払う「保険料」は、保険会社によって大きく変わってきます。なぜなら、各保険会社が提供するインターネット割引やゴールド免許割引などの割引率、あるいはロードサービスの充実度といった付帯サービスの内容が異なるからです。
年代別の任意保険料の目安
これらのV90特有の料率クラスも踏まえた上で、年代別の任意保険料の目安を見てみましょう。
- 20代:年間100,000円~200,000円程度
- 30代~40代:年間60,000円~120,000円程度
- 50代以降:年間50,000円~80,000円程度
もちろん、これはあくまで一般的な参考値です。例えば、長年無事故で最高の20等級に達しているゴールド免許の方が、運転者を本人に限定すれば、50代以上であれば5万円を切ることも十分に考えられます。
したがって、V90の保険料を考える上での最適な行動は、「車両保険の料率クラスが高いため、車両保険料が高くなる傾向は受け入れつつ、複数の保険会社から見積もりを取り、ご自身の条件に最も合った割引やサービスを提供してくれる保険会社を見つけること」と言えるかもしれません。
実燃費から計算する年間の燃費コスト

日々の維持費の中で、もっとも身近で変動を感じやすいのが、ガソリン代などの燃料コストかもしれません。この費用は、ご自身の運転スタイルや走行距離に直結するため、V90との暮らしをイメージする上で非常に大切な指標になります。
V90には、効率の良さが魅力の「マイルドハイブリッド」と、ライフスタイルによっては燃料コストを劇的に変える可能性を秘めた「プラグインハイブリッド」の2つのパワートレインが用意されており、どちらを選ぶかで年間のコストは大きく変わってきます。ここでは、それぞれの特徴と、より現実的な年間の燃料コストをシミュレーションしてみたいと思います。
カタログ燃費と実際の燃費について
まず前提として、車の燃費には「カタログ燃費」と、私たちが実際に路上を走ったときの「実燃費」があり、両者には少し差が出ることが多いです。
現在、カタログ燃費の指標として使われているのは「WLTCモード」という国際的な測定基準です。これには「市街地」「郊外」「高速道路」という3つの走行モードが含まれており、以前の測定方法よりも実態に近い数値が出ると言われています。
ただ、それでも実際の燃費は、渋滞の多さ、エアコンの使用状況、アクセルの踏み方、短い距離の走行が多いなど、様々な要因でカタログ燃費よりも低くなるのが一般的です。おおむね、カタログ燃費の7割~8割程度が実燃費の一つの目安になると考えておくと、現実とのギャップが少ないかもしれません。
マイルドハイブリッドモデル(B5, B6)の燃費コスト
V90の主力となるのが、48Vのマイルドハイブリッドシステムを搭載したモデルです。減速時のエネルギーを回収してバッテリーに蓄え、発進・加速時にモーターでエンジンをさりげなく補助することで、スムーズな走りと燃費の向上を両立しています。
V90には前輪駆動の「B5」と、よりパワフルな四輪駆動の「B6」がありましたが、現行(2025年時点)の日本市場ではV90 Cross Countryの「B5 AWD」が中心となっています。ここでは、市場に多く流通する「V90 B5(FF)」と「V90 Cross Country B5 AWD」を例に見てみましょう。
- V90 B5(FFモデル):WLTCモード燃費 約12.2km/L
- V90 Cross Country B5 AWD:WLTCモード燃費 約11.6km/L
この数値を基に、実燃費をそれぞれカタログ値の約75%(B5 FF: 約9.2km/L、B5 AWD: 約8.7km/L)と仮定し、年間1万km走行した場合のガソリン代を計算してみます。なお、ガソリン価格は現在の愛知県のハイオク平均価格である1リッターあたり約178円で計算します。
モデル | 年間ガソリン代(1万km走行) | 1ヶ月あたりのガソリン代 |
V90 B5 (FF) | (10,000km ÷ 9.2km/L) × 178円/L ≒ 約193,500円 | 約16,100円 |
V90 CC B5 AWD | (10,000km ÷ 8.7km/L) × 178円/L ≒ 約204,600円 | 約17,000円 |
このように、年間で約19万円から20万円強が、マイルドハイブリッドモデルの燃料コストの一つの目安となりそうです。
プラグインハイブリッドモデル(Recharge)の燃費コスト
一方、プラグインハイブリッドモデルの燃料コストは、まったく新しい考え方が必要になります。このモデルの最大の魅力は、ご自宅などで充電した電気の力だけで、ガソリンを一滴も使わずにかなりの距離を走行できる点にあります。
V90 Rechargeモデルは、18.8kWhという比較的大容量のバッテリーを搭載しており、満充電からのEV走行可能距離は、カタログ値で約80km以上とされています。
電気のコスト vs ガソリンのコスト
これがどれだけ経済的か、少し計算してみましょう。 ご家庭の電気料金プランにもよりますが、中部電力の一般的なプラン(従量電灯B)で、1kWhあたりの電気料金を夜間電力なども考慮して平均的に27円と仮定します。
- 満充電にかかる電気代:18.8kWh × 27円/kWh = 約508円
つまり、わずか500円程度の電気代で、約80kmを走行できる計算になります。
これをマイルドハイブリッドモデルが同じ距離を走った場合のガソリン代と比較してみましょう。
- ガソリンで80km走行するコスト:(80km ÷ 9.2km/L) × 178円/L ≒ 約1,548円
その差は歴然ですね。日常の運転が、片道30km程度の通勤やお買い物などで、毎日自宅で充電できる環境にある方であれば、普段の燃料コストをガソリン車の3分の1以下に抑えることも可能かもしれません。
プラグインハイブリッドの注意点
ただ、もちろん注意点もあります。ご自宅に200Vの充電コンセントを設置するための初期費用がかかることや、長距離移動で充電が切れた後は、重いバッテリーを積んでいる分、純粋なガソリン走行時の燃費はマイルドハイブリッドモデルに若干劣る可能性があることです。
このように、V90の燃料コストは、マイルドハイブリッドを選ぶか、プラグインハイブリッドを選ぶか、そしてご自身のライフスタイルによって大きく変わってきます。ご自身の1週間の平均的な走行距離を思い浮かべながら、どちらがよりフィットするかを考えてみるのが良いかもしれませんね。
ディーラーで受ける車検費用はどのくらい?

車を所有していると、新車登録から3年後、それ以降は2年に1度のペースで必ず受けなければならないのが「車検(自動車検査登録制度)」です。これは、ご自身のV90が国の定める保安基準に適合しているかをチェックするための大切な検査であり、いわば車の「総合健康診断」のようなものかもしれません。
この車検にかかる費用は、大きく分けて3つの要素で構成されています。それぞれの内容を理解することで、見積もりを見たときに「なぜこの金額になるのか」が分かりやすくなると思います。
- 法定費用:国や保険会社に支払う、法律で定められた費用
- 車検基本料金:点検や検査、書類作成などを行うための手数料
- 整備費用:点検の結果、交換や修理が必要になった部品代や技術料
法定費用:どこで受けても同じ金額
まず「法定費用」ですが、これは文字通り法律で定められた費用なので、ボルボの正規ディーラーで受けても、街の整備工場で受けても、金額は一切変わりません。
その内訳は、前述の「自動車重量税」と「自賠責保険料」、そして検査手数料である「印紙代」の3つです。V90のマイルドハイブリッドモデル(エコカー減税非対象)の場合、具体的な金額は以下のようになります。
- 自動車重量税(2年分):32,800円
- 自賠責保険料(24ヶ月分):17,650円
- 印紙代(指定整備工場の場合):約1,800円~2,300円
- 合計:約52,250円~
つまり、V90の車検では、車の状態に関わらず、最低でもこの5万円強の費用がかかる、ということになります。
車検基本料金と整備費用:依頼先で大きく変わる部分
一方で、「車検基本料金」と「整備費用」は、どこに車検を依頼するかによって大きく変わってきます。そして、ボルボV90のような先進技術が詰まった輸入車の場合、この部分が費用の総額を左右する、と言っても過言ではないでしょう。
ボルボ正規ディーラーで車検を受ける場合、一般的に費用は高くなる傾向があります。交換部品がほとんどない基本的な内容でも総額で15万円程度から。そして、後述する消耗品の交換などが重なると、20万円、30万円以上になることも珍しくありません。
ディーラーでの車検見積もり(一例)
では、なぜそれほどの金額になるのでしょうか。具体的な見積もりの一例を見てみると、イメージが湧きやすいかもしれません。
項目分類 | 内容 | 費用(目安) |
法定費用 | 重量税、自賠責、印紙代 | 約53,000円 |
車検基本料金 | 24ヶ月法定点検、測定検査料 | 約50,000円 |
総合診断機(VIDA)接続・診断料 | 約8,000円 | |
整備費用 | ブレーキフルード交換 | 約15,000円 |
エンジンオイル・フィルター交換 | 約25,000円 | |
ワイパーブレード前後交換 | 約12,000円 | |
エアコンフィルター交換 | 約10,000円 | |
合計 | 約173,000円 |
このように、ディーラーでは国の基準を満たすための検査だけでなく、メーカーが推奨する予防的なメンテナンスも同時に提案されることが多いため、費用がかさむ傾向にあります。
ディーラー車検と専門店のメリット・デメリット
もちろん、ディーラー以外の輸入車に強い整備工場や、車検専門店に依頼すれば、費用を抑えることは可能です。では、どちらを選ぶのが良いのでしょうか。それぞれのメリットとデメリットを整理してみます。
ボルボ正規ディーラー
- 専門知識と専用診断機
- ボルボ専用の診断機「VIDA」を完備しており、目に見えない電子制御のエラーまで正確に把握し、必要に応じて車両のソフトウェアを最新版にアップデートしてくれます。これは最大の強みかもしれません。
- 純正部品の安心感
- 交換部品はすべて品質が保証された純正品で、部品自体にも保証が付きます。
- 整備記録の価値
- ディーラーでの整備記録がしっかり残っていると、将来車を売却する際の査定額で有利に働くことがあります。
- 費用の高さ
- 部品代や時間あたりの工賃が、一般の整備工場に比べて高めに設定されています。
輸入車に強い整備工場・専門店
- 費用の柔軟性
- 純正品だけでなく、同等の品質を持つOEM部品や、より安価な優良社外部品を使える場合があり、修理費用を抑える相談がしやすいです。工賃も比較的安価な傾向があります。
- 設備と情報の差
- 最新の診断機や、特定の修理に必要な特殊工具を持っていない場合があります。また、メーカーから直接提供される最新の技術情報へのアクセスに限りがあることも考えられます。
- 技術力のばらつき
- お店によって技術力や経験に差が大きく、信頼できる工場を見つけるためのリサーチが必要です。
このように、どちらにも一長一短があります。新車保証期間中や、車のコンディションを最優先に考えるのであればディーラーが安心かもしれません。一方で、保証が切れた後の車で、信頼できる整備工場を知っているのであれば、相談しながら費用を抑えるというのも賢い選択だと思います。
大切なのは、単に費用の安さだけを求めるのではなく、ご自身のV90を安心して任せられる技術力や実績があるかどうかを、しっかりと見極めることかもしれませんね。
定期的にかかるメンテナンス費用と消耗品
車を良いコンディションで長く乗り続けるためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。車検以外にも、日々のメンテナンスや消耗品の交換に費用がかかります。
代表的なものはエンジンオイルの交換です。ボルボは1年または15,000kmごとの交換を推奨していることが多いようです。ディーラーで交換する場合、オイル代と工賃を合わせて2万円~3万円程度が目安になると思います。
その他にも、以下のような消耗品の交換が定期的に必要になります。
- オイルフィルター:オイル交換2回に1回が目安
- ワイパーブレード:1年~2年で交換
- ブレーキフルード:2年ごとの交換が推奨
- ブレーキパッド/ローター:走行距離に応じて摩耗したら交換
- バッテリー:3年~5年で交換時期を迎えることが多い
- エアコンフィルター:1年ごとの交換が目安
これらの部品は、国産車に比べてやや高価な場合があります。特にブレーキ関連の部品などは、安全に直結する部分なので、信頼できる純正品やOEM品を選ぶのが良いかもしれません。
ボルボには、新車購入時に付帯するメンテナンスプログラム「ボルボ・サービス・パスポート」があります。これを利用すると、規定の期間内は指定された点検や消耗品交換を無償で受けられます。中古車で購入する場合でも、こうしたプログラムが継承できるか確認してみるのも一つの手です。
ボルボV90の具体的な維持費とライバル比較

- 想定しておきたい故障修理代の相場
- V90のタイヤ交換にかかる費用
- 購入前に確認!リアルな維持費シミュレーション
- 国産車比較で見えるV90の立ち位置
- V60との比較でわかる維持費の違い
想定しておきたい故障修理代の相場
ボルボは品質の高い車として知られていますが、機械である以上、故障のリスクがゼロというわけではありません。特に輸入車の場合、故障した際の修理代が国産車よりも高額になる可能性があることは、理解しておく必要があるかもしれません。
修理代が高くなる主な理由は、部品代と工賃です。部品の多くは本国から取り寄せる必要があり、輸送コストなどが上乗せされるため、国産車の同等部品よりも高価になりがちです。また、整備にも専門的な知識や工具が必要となるため、工賃も高めに設定されていることがあります。
よくある故障の例としては、各種センサー類の不具合や、パワーウィンドウなどの電装系のトラブルが挙げられます。例えば、センサーが一つ故障しただけでも、部品代と交換工賃で数万円の出費になることは珍しくありません。エンジンやトランスミッションといった主要な部分に不具合が起きると、修理費用は数十万円に及ぶ可能性もあります。
このような突発的な大きな出費に備えるためには、延長保証に加入しておくという選択肢も考えられます。新車保証が切れた後も、一定期間は保証修理が受けられるため、安心感につながると思います。
中古車で購入する場合は、車の状態をしっかりと見極めることが何よりも大切です。信頼できる販売店で購入し、過去の整備記録などを確認させてもらうと良いでしょう。
V90のタイヤ交換にかかる費用

タイヤは、車の維持費の中でも特に大きな出費の一つです。安全な走行のために欠かせないパーツであり、消耗品であるため、いずれは交換の時期がやってきます。
V90は、その車格に見合った大きなサイズのタイヤを装着しています。グレードによって異なりますが、18インチや19インチ、上位グレードでは20インチのタイヤが標準装備されています。
タイヤはサイズが大きくなるほど、価格も高くなるのが一般的です。そのため、V90のタイヤ交換費用は、国産のコンパクトカーなどと比べるとかなり高額になります。
選ぶタイヤのブランドによって価格は大きく変わりますが、例えば19インチのタイヤを4本交換する場合、ミドルクラスのタイヤでも10万円以上、ハイパフォーマンスなプレミアムタイヤを選ぶと20万円を超えることも十分にあり得ます。
タイヤ選びのポイント
費用を少しでも抑えたい場合は、アジアンブランドなどの比較的安価なタイヤを選ぶという方法もあります。ただ、タイヤは乗り心地や静粛性、燃費性能にも大きく影響するパーツです。V90が持つ上質な乗り味を損なわないためにも、ある程度の品質を持ったタイヤを選ぶのがおすすめかもしれません。
また、ディーラーだけでなく、タイヤ専門店やカー用品店など、複数のお店で見積もりを取って比較検討することも、費用を抑える上で有効な方法です。
購入前に確認!リアルな維持費シミュレーション
これまで見てきた個別の費用項目を合計して、V90の年間の維持費が具体的にどれくらいになるのか、シミュレーションしてみたいと思います。
ここでは、ごく一般的な条件として以下のように設定します。
- モデル:ボルボ V90 B5(エコカー減税なし)
- 年間走行距離:10,000km
- ガソリン価格:175円/L
- 実燃費:9.5km/L
- 駐車場代:月額15,000円
- 任意保険:30代、ゴールド免許、車両保険あり
この条件で計算した、年間の維持費の目安がこちらです。
費用項目 | 金額(年間) | 備考 |
税金(自動車税) | 36,000円 | 2.0Lエンジンのため |
法定費用(車検時) | 約25,000円 | 重量税と自賠責保険料の年割 |
任意保険料 | 80,000円 | 年齢や等級による |
燃料代 | 約184,000円 | 走行距離や燃費による |
車検・メンテナンス代 | 80,000円 | 消耗品交換含む年割 |
駐車場代 | 180,000円 | 地域差が大きい |
合計(目安) | 約585,000円 |
このシミュレーションによると、年間の維持費は約58.5万円、月々に換算すると約4.9万円となりました。
もちろん、これはあくまで一つのモデルケースです。駐車場が自己所有であったり、走行距離が短かったり、あるいは保険料がもっと安ければ、年間の負担はこれよりも軽くなります。逆に、都市部で駐車場代が高かったり、消耗品の交換が重なったりすれば、さらに費用がかかる可能性もあります。
このように、購入前にご自身の状況に合わせてシミュレーションしてみることが、後悔しないための第一歩と言えるかもしれません。
国産車比較で見えるV90の立ち位置

V90の維持費を考える上で、国産のライバル車と比較してみるのも参考になると思います。比較対象として、同じく高級ステーションワゴンやセダンである、レクサスESやトヨタ・クラウンなどを考えてみます。
まず、税金に関しては、排気量や重量が同程度であれば、国産車とV90で大きな差は出ません。燃費についても、ハイブリッドモデル同士で比較すれば、同等か、モデルによっては国産車の方がやや優れている場合があるかもしれません。
差がつきやすいのは、やはりメンテナンス費用や修理代の部分です。
前述の通り、部品代や工賃は、全般的に輸入車であるV90の方が高くなる傾向があります。ディーラーでの車検費用や、タイヤなどの消耗品交換費用も、国産の同クラスの車種と比べると割高に感じることがあるかもしれません。
ただ、これは単に高いか安いかという話だけではないと思います。ボルボV90が提供する、独自のスカンジナビアンデザイン、世界トップクラスの安全性能、そして上質な乗り心地といった価値に、どれだけ魅力を感じるかという点が大切です。
維持費という側面だけで見れば国産車に分があるかもしれませんが、V90にはそれを補って余りある魅力がある、と考える人も多いのではないでしょうか。
V60との比較でわかる維持費の違い

ボルボのラインナップの中で、V90としばしば比較されるのが、同じくエステートモデルのV60です。V60はV90よりも一回りコンパクトなサイズで、価格も抑えられています。では、維持費にはどれくらいの差があるのでしょうか。
結論から言うと、維持費はV60の方がやや安く抑えられる傾向にあります。
まず、税金面では、搭載されているエンジンは同じ2.0Lなので自動車税は同額です。しかし、車両重量はV60の方が軽いため、自動車重量税がV90よりも1区分安くなる場合があります。
また、車体が小さいことは、タイヤサイズにも影響します。V60の標準タイヤはV90よりも小さいサイズが設定されていることが多く、タイヤ交換時の費用を抑えられます。燃費に関しても、車重が軽い分、V60の方が若干有利なことが多いようです。
車両本体価格がV90よりも安いため、任意保険の車両保険料も、同じ補償内容であればV60の方が安くなる可能性があります。
このように、一つ一つの差は小さいかもしれませんが、年間で考えると数万円程度の違いが出てくることも考えられます。ただ、V90が持つ広々とした室内空間や、フラッグシップモデルならではの存在感は、V60にはない魅力です。
どちらのモデルを選ぶかは、維持費の違いだけでなく、デザインの好みやライフスタイル、車に求めるものを総合的に考えて判断するのが良いと思います。
まとめ:ボルボV90の年間維持費を正しく知る
- V90の自動車税は排気量が2.0Lのため年間36,000円が目安
- 重量税はグレードやエコカー減税の有無によって変動する
- 任意保険料は年齢や等級、車両保険の有無で大きく変わる
- 輸入車は修理代が高くなる傾向があるため車両保険は有効
- 燃費コストは年間走行距離と実燃費によって左右される
- ガソリン代は年間1万km走行で18万円前後がひとつの目安
- ディーラーでの車検費用は15万円から30万円程度を見ておくと安心
- エンジンオイルなどの定期的なメンテナンス費用も必要
- 故障時の修理代は部品代などが理由で国産車より高額になる可能性がある
- タイヤは18インチ以上が主流で交換費用は10万円を超えることも
- シミュレーションでは年間維持費は50万円から60万円程度になることが多い
- 駐車場代は地域によって大きく異なるため別途考慮が必要
- 国産の同クラス車種と比較するとメンテナンス関連費用は高めの傾向
- 弟分であるV60と比較すると全体的に維持費はV60の方が安価
- 維持費だけでなくデザインや安全性といった価値を総合的に判断することが大切
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