こんにちは、Tです。
先日ボルボのプレスリリースを見ていたら、「V60 Cross Country Classic Edition」の文字が目に飛び込んできました。200台限定、テールゲートに「Classic」エンブレム。それが何を意味するか、ボルボ好きならすぐにわかりますよね。
V60クロスカントリーが、ついに生産終了します。
元V90オーナーとして、ボルボのワゴン文化をこよなく愛してきた私にとって、これはかなりグッとくるニュースでした。V70 XCから始まったクロスカントリーの歴史が、ここで一つの区切りを迎えるんです。この記事では、最終限定車クラシックエディションの全貌から、クロスカントリーの歴史、そして後継車の展望まで、元オーナーの視点でお伝えします。
- V60クロスカントリーが生産終了する背景と理由
- 200台限定クラシックエディションの装備・価格・スペック詳細
- V70 XCから28年続くクロスカントリーシリーズの歴史
- 後継車の可能性と、今から手に入れるための選択肢
V60クロスカントリーが生産終了する背景と理由

V60クロスカントリーの生産終了は、突然の話ではありません。ボルボが進めてきた戦略の延長線上にある、ある意味で「予想できた別れ」です。ここでは、その背景を整理します。
ボルボの電動化シフトとモデル整理の波
ボルボは2021年に「2030年までに全車EVメーカーになる」と宣言しました。その後、2024年9月にこの目標を調整し、「2030年までに世界販売の90〜100%を電動化車両(EVとPHEV)にする」という方針に修正しています。完全EV化からは一歩後退しましたが、内燃機関モデルの段階的な整理が進んでいることに変わりはありません。
実際、ボルボの新型車を見れば方向性は明らかです。EX30、EX60、EX90、ES90と、次々に登場するのはすべて電動モデル。一方で、SPAプラットフォームを使う既存のICE(内燃機関)モデルは、順次ラインナップから外れていく流れにあります。
私がV90に乗っていた頃は、まだこんな未来は想像していませんでした。ボルボといえばワゴン、ワゴンといえばエンジンの鼓動。でも時代は確実に変わっています。正直なところ、V60クロスカントリーの生産終了は、ボルボが「ワゴン+エンジン」の時代に別れを告げる象徴的な出来事だと感じています。
SPAプラットフォーム世代の幕引き
V60クロスカントリーが採用しているのは、ボルボの「SPA(Scalable Product Architecture)」プラットフォーム。2015年のXC90から導入が始まり、V90、S60、XC60、そしてV60クロスカントリーまで、ボルボの主力モデルを支えてきた名プラットフォームです。
しかし、ボルボの次世代モデルは新しい「SPA2」プラットフォームに移行しています。EX90やES90はすでにSPA2ベースで開発されており、SPAプラットフォーム世代のモデルは順次終了していく過渡期にあるんですね。
V90に乗っていた経験から言えば、SPAプラットフォームの車は本当に完成度が高かったです。高速道路での安定感、室内の静粛性、乗り心地のバランス。どれを取っても「これ以上何を望む?」というレベルだったんですよね。特にV90で高速をクルージングしている時の、あの「路面に吸い付くような安定感」は忘れられません。2トン近い車体が風切音もほとんどなく滑るように走る感覚は、SPAプラットフォームの恩恵そのものでした。
だからこそ、その世代の終焉には一抹の寂しさを感じます。V60クロスカントリーの生産終了は、SPAプラットフォーム世代が完成形のまま幕を閉じるということでもあるんです。次世代のSPA2がどれだけ素晴らしいかはまだわかりませんが、少なくともSPA世代のボルボが「名車」だったことは間違いないと思います。
最終限定車クラシックエディションの装備と価格

2026年2月20日、ボルボ・カー・ジャパンはV60クロスカントリーの最後を飾る特別限定車「V60 Cross Country Ultra B5 AWD Classic Edition」を発表しました。200台限定、価格は819万円。ここでは、その装備内容と通常モデルとの違いを詳しく見ていきます。
通常モデルとの装備差を徹底比較
クラシックエディションは、ベースとなる「ウルトラ B5 AWD」グレードに特別装備を追加した仕様です。最大の特徴は3つあります。
1つ目は、チルトアップ機構付き電動パノラマ・ガラス・サンルーフ。北欧の光を車内に取り込むというボルボらしい発想の装備で、スカンジナビアンデザインのインテリアにさらなる開放感をもたらします。

2つ目は、専用デザインの19インチアルミホイール。5本ダブルスポークデザインで、ダイヤモンドカット面とブラックのコントラストが特徴です。通常モデルのホイールとは明確にデザインが異なり、足元から「特別な1台」であることを主張しています。

3つ目が、テールゲートに装着される「Classic」エンブレム。これがシリーズのフィナーレを象徴するアイコンです。正直、このエンブレムを見ると胸にくるものがあります。V90オーナーだった身としては、自分の愛車にもこういう「最後の証」があったらどう感じただろう、とつい考えてしまいますね。

ボディカラーは「クリスタルホワイト」「ブライトダスク」「フォレストレイク」の3色。いずれもボルボらしい上品なカラーリングで、個人的にはフォレストレイクが気になります。深みのあるグリーン系はボルボのスカンジナビアンイメージにぴったりです。
819万円は高いのか — スペックと価格を分析
クラシックエディションの価格は819万円(税込)。正直「ちょっと高いな」と思う方もいるかもしれません。でも、スペックと装備内容を冷静に見ていくと、この価格設定にはちゃんと根拠があります。
| 項目 | Classic Edition | 通常ウルトラ B5 AWD(参考) |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 819万円 | 804万円 |
| エンジン | 2.0L 直4ターボ + 48V MHEV | 同左 |
| 最高出力 | 250ps | 同左 |
| 最大トルク | 350Nm | 同左 |
| トランスミッション | 8速AT | 同左 |
| 駆動方式 | AWD | 同左 |
| WLTC燃費 | 12.6 km/L | 同左 |
| 最低地上高 | 205mm | 同左 |
| パノラマサンルーフ | 標準装備 | オプション |
| 19インチ専用AW | 標準装備 | なし |
| Classicエンブレム | あり | なし |
| 限定台数 | 200台 | — |
通常のウルトラ B5 AWDとの差額は約15万円。この差でパノラマサンルーフと専用ホイール、Classicエンブレムが付くと考えれば、パノラマサンルーフだけでも15万円以上の価値がある装備ですから、実質的には「お得な最終モデル」と言っていいでしょう。
パワートレインは2.0リッター直列4気筒ターボに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた「B5」ユニット。250ps/350Nmというスペックは、V90のT6(320ps)と比べるとおとなしめですが、日常使いには十分すぎるパワーです。私がV90に乗っていた感覚からすると、B5でも高速の合流や追い越しで不満を感じることはまずないでしょう。むしろマイルドハイブリッドの恩恵で、燃費とスムーズさではB5のほうが有利かもしれません。
V70 XCから28年 — クロスカントリーの歴史を振り返る

V60クロスカントリーの生産終了が感慨深いのは、このモデルが単なる「車高の高いワゴン」ではなく、ボルボのクロスカントリーという思想を受け継ぐ存在だからです。その歴史を振り返ってみましょう。
1998年のV70 XCがすべての始まり
クロスカントリーの歴史は、1998年に登場した「V70 XC(クロスカントリー)」に遡ります。当時のSUVブームの中で、ボルボが出した答えは「ワゴンの実用性とSUVの走破性を融合させる」という第3の選択肢でした。
V70をベースに車高を上げ、フルタイム4WDを搭載。見た目はワゴンなのに、悪路もこなせる。この「上品な冒険者」というコンセプトは、まさにボルボらしい発想です。「とにかくデカくてゴツいSUVが正義」という風潮に対して、「いや、ワゴンの洗練さを捨てなくても冒険はできるよ」と提案したのがクロスカントリーだったんですね。
その後、2002年にV70 XCは「XC70」に改称。2007年には2代目XC70にフルモデルチェンジされ、直列6気筒3.2Lエンジンを搭載してさらに走破性を強化しました。XC70は2017年にV90クロスカントリーに後を託す形で生産を終了しています。
ワゴン好きの私としては、V70 XCのコンセプトには強く共感します。V90を選んだ理由の一つも「SUVじゃなくてワゴンがいい」という思いでしたから。ホイールハウスの大きさがどうも受け付けないんですよ、SUVって(笑)。クロスカントリーは、そんなワゴン派のためのモデルだったと思います。
V60クロスカントリーの誕生から現行モデルまで
V60クロスカントリーが初めて登場したのは2015年。初代V60をベースに車高を上げたクロスオーバーモデルとしてデビューしました。当時はディーゼルの「D4」が人気グレードで、燃費の良さと力強いトルクが評価されていました。
そして2019年、現行の2代目V60クロスカントリーが登場。SPAプラットフォームを採用し、全長4,785mm、全幅1,895mm、全高1,505mm。最低地上高205mmを確保しながら、全高を1,505mmに抑えるという絶妙なバランスを実現しました。
| 年 | モデル | 概要 |
|---|---|---|
| 1998年 | V70 XC | 初代クロスカントリー。V70ベースの4WDクロスオーバー |
| 2002年 | XC70(改称) | V70 XCからXC70に名称変更 |
| 2007年 | XC70(2代目) | 直6 3.2Lエンジン、走破性強化 |
| 2012年 | V40 クロスカントリー | コンパクトクラスのクロスオーバー(2020年終了) |
| 2015年 | V60 クロスカントリー(初代) | ミッドサイズ・クロスオーバー誕生 |
| 2017年 | V90 クロスカントリー | XC70の後継フラッグシップ・クロスオーバー |
| 2019年 | V60 クロスカントリー(2代目) | SPAプラットフォーム採用の現行モデル |
| 2026年 | V60 CC Classic Edition | 200台限定の最終モデル |
こうして並べてみると、ボルボのクロスカントリーシリーズは28年にわたって「ワゴン+SUV」という独自のポジションを守り続けてきたことがわかります。SUV全盛の時代にあっても、あくまで「ワゴンがベース」であることにこだわり続けた。この姿勢は、人と同じが嫌いな私としてはとても共感できます。
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V60クロスカントリーの後継車と今後の展望

V60クロスカントリーが生産終了するなら、後継モデルは出るのか。そして今から手に入れるにはどうすればいいのか。気になるポイントを整理します。
ボルボの次世代ラインナップに後継はあるか
結論から言うと、2026年4月現在、V60クロスカントリーの直接的な後継車は発表されていません。ボルボの次世代ラインナップは「EXシリーズ」を軸に展開されており、EX30(コンパクト)、EX60(ミッドサイズ)、EX90(フラッグシップ)、ES90(セダン)と、すべて電動モデルです。
この中で、V60クロスカントリーに最も近いポジションにあるのがEX60でしょう。ミッドサイズSUVという位置づけで、航続距離810kmという驚異的なスペックが話題になっています。ただし、EX60はあくまで「SUV」であり、ワゴンベースのクロスオーバーという意味でのクロスカントリーの後継とは言い切れません。
ボルボは2024年に「2030年までの完全EV化」目標を調整し、PHEVとの並行展開を視野に入れています。ただし、新しいICE専用モデルの開発は行わない方針です。つまり、V60クロスカントリーのような「エンジン+ワゴン+車高アップ」という組み合わせは、少なくとも新車では二度と出てこない可能性が高いんですね。
個人的には、ちょっと寂しいですけど、EX60のデザインを見ると「ボルボはちゃんと進化している」と感じます。とはいえ、ワゴンのあの低くて流れるようなシルエットが好きな人間としては、クロスカントリーの消滅はやっぱり惜しい。V90の流麗なサイドラインに惚れ込んだ身としてはなおさらです。
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生産終了前に手に入れる新車・中古の選択肢
V60クロスカントリーを今から手に入れたいなら、選択肢は大きく2つあります。
1つ目は、クラシックエディションを含む新車の購入。ただし200台限定のクラシックエディションは在庫が残っているかどうかが鍵です。通常グレードの「ウルトラ B5 AWD」や「プラス B5 AWD」はまだ新車で購入可能ですが、生産終了が近づくにつれて在庫は減っていくでしょう。気になっている方は早めにディーラーに確認することをおすすめします。
2つ目は中古車です。現行2代目(2019年〜)のV60クロスカントリーは中古車市場にも流通しており、平均価格は440万円前後(2024年12月時点)。新車価格699〜819万円と比べるとかなりお買い得です。生産終了後は「最後の内燃機関クロスカントリー」という希少性で中古価格が下がりにくくなる可能性もあるので、検討するなら早めの方がいいかもしれません。
私がV90を中古で買った経験から言えることは、ボルボの認定中古車(SELEKT)は保証がしっかりしているので安心感があるということです。実際、私のV90はセルモーター故障とステアリングスイッチの不具合が発生しましたが、SELEKT保証の範囲内で対応してもらえました。あの時、保証に入っていなかったらと思うとゾッとしますね。
特に輸入車は故障時の修理費が気になるところですが、保証期間内であれば大きな出費を避けられます。V60クロスカントリーを中古で狙うなら、まずSELEKTの在庫をチェックしてみてください。また、新車・中古に限らず購入を検討するなら、値引き交渉も重要です。V60クロスカントリーの値引き目標額は40万円程度と言われています。限定車のクラシックエディションは値引きが渋いかもしれませんが、通常グレードなら交渉の余地はあるでしょう。
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V60クロスカントリーへの乗り換え、今の愛車を最高値で手放すために
V60クロスカントリーの購入を検討しているなら、まず考えてほしいのが「今乗っている車をいくらで売れるか」ということ。新車でも中古でも、手元に残る資金が多ければ多いほど選択肢は広がります。
私自身の経験から言える結論は、「ディーラーの下取りだけで決めてしまうと、数十万円単位で損をする可能性がある」ということです。少しの手間で、次のボルボのオプションを一つ増やせるかもしれません。
今乗っている車に合わせて、私が実際に活用して「これなら安心」と確信した売却方法を記事にまとめています。愛車を手放す前に、ぜひチェックしてみてくださいね。


「あの時、あっちで査定しておけばよかった……」という後悔だけはしてほしくないので、まずは私の失敗と成功の記録を参考にしていただければ嬉しいです!
まとめ — V60クロスカントリーの生産終了が意味すること

V60クロスカントリーの生産終了について、ここまでの内容をまとめます。
- ボルボの電動化シフトとSPAプラットフォーム世代の終了が生産終了の背景
- 最終限定車クラシックエディションは200台限定・819万円。パノラマサンルーフと専用ホイール、Classicエンブレムが特別装備
- V70 XC(1998年)から28年続くクロスカントリーの歴史がここで一つの区切りを迎える
- 直接的な後継車は未発表。EX60がポジション的には近いが、ワゴンベースのクロスカントリーとは異なる
- 手に入れるなら新車の在庫確認 or 中古車(SELEKT推奨)を早めにチェック
V60クロスカントリーの生産終了は、ボルボの「ワゴン+エンジン」というクロスカントリーの思想が、28年の歴史を経て一つの完成形に到達したということだと、私は思っています。
ワゴンの洗練さとSUVの走破性を両立するという、ちょっと欲張りなコンセプト。時代が変わっても、「人と同じじゃなくていい」「本質的に価値があるものを選びたい」という人には響き続けるモデルだったと思います。
もし今、V60クロスカントリーが気になっているなら、迷っている時間はあまりないかもしれません。生産終了が決まった今こそ、ディーラーに足を運んでみる価値はあるんじゃないでしょうか。テールゲートに光る「Classic」の文字を見たら、きっとその意味がわかると思います。
最後に一つ。クラシックエディションのテールゲートに刻まれた「Classic」エンブレムは、単なるモデル名じゃないんですよね。28年間「ワゴンでも冒険できる」と言い続けてきたボルボの矜持そのものです。この最後の1台を手にする200人のオーナーが、ちょっとだけ羨ましいです(笑)。


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