元V90オーナーが語る、XC60の内装・外装デザインの魅力と注意点の全て

元V90オーナーが語る、XC60の内装・外装デザインの魅力と注意点

ボルボ XC60。SUVとしての力強さと、ボルボならではの知的な雰囲気が絶妙にマッチしていて、本当に魅力的だと思います。

でも、カタログや写真だけだと分からない細部の質感や、実際の使い勝手ってどうなんだろう。。

特に年式やグレードによる違いは、しっかり把握しておきたいところです。

そんな風に感じている方も、多いのではないでしょうか。

僕も以前ボルボ V90に乗っていたので、ボルボのデザインに対するこだわりや、オーナーがどんな部分に満足感を覚えるのか、よく分かります。

この記事では、元ボルボオーナーの視点も交えながら、最新モデルの公式情報をもとに、XC60の内装と外装のデザインについて、良いところも少し気になるかもしれない点も、正直に、そしてじっくりと深掘りしていきたいと思います。

この記事で分かること
  • 最新のXC60の内装デザインの具体的な魅力が分かる
  • グレードごとの外装デザインやホイールの違いが分かる
  • 新しい内装素材「ノルディコ」や装備の詳細が分かる
  • 元ボルボオーナーの視点を通したリアルな評価が分かる
目次

XC60の内装・外装デザインの魅力を解説

https://www.volvocars.com/jp/cars/xc60-hybrid/

ここではまず、XC60のデザインが多くの人を惹きつける、内装の全体的な魅力について見ていきましょう。僕がV90を選んだ理由も、まさにこの「リビングのような」と表現される内装の心地よさでした。最新のXC60もその思想をしっかりと受け継ぎ、さらに進化させていますね。

  • 洗練された世界観を演出する内装色
  • まるでコンサートホール、Bowers & Wilkinsという選択肢
  • 座り心地を追求したシートの質感
  • インパネとセンターディスプレイの機能美
  • 芸術的なクリスタルシフトノブの輝き
  • 十分な容量を誇るラゲッジスペース

洗練された世界観を演出する内装色

ボルボの内装選びは、単に色を決めるという作業ではないんですよね。 どんな「空間」で過ごしたいか、というライフスタイルそのものを選ぶ感覚に近いかもしれません。

最新のXC60では、その選択肢がさらに奥深く、魅力的になりました。 色だけでなく、先進的な新素材や最高級レザー、そしてそれらと組み合わされるウッドパネルの種類によって、グレードごとの世界観がはっきりと表現されています。

まずは、グレードごとの選択肢を分かりやすく表で見てみましょう。

スクロールできます
グレード主な素材・選択肢カラーデコレーション・パネル
Plusノルディコカルダモン / チャコールナチュラルドリフト・ウッド
Ultra①ファインナッパレザー②ネイビー・へリンボーンウィーブ・テキスタイル①ブロンド / チャコール
②チャコール
ホワイトドリフト・ウッド

Plusグレード:先進性と温かみが共存する「ノルディコ」

まず注目したいのが、Plusグレードに採用されている「ノルディコ」という新しい内装素材です。

これは、ペットボトルなどのリサイクル素材や、スウェーデン・フィンランドの森林から採取されたバイオ由来原料から作られています。いわゆるレザーフリー素材で、環境への配慮というだけでなく、その質感自体が新しい価値を持っているのが特徴ですね。

手で触れてみると、上質なファブリックのような滑らかさと、本革とはまた違う、サラリとした心地よさがあります。夏場に蒸れにくく、冬場にヒヤッとしないのも、実用的なメリットかもしれません。

このノルディコで選べる2つのカラーが、また絶妙なんです。

カルダモン

少し温かみのある、上品なグレーベージュといった印象の色ですね。自然光の下で見ると、まるで天然のリネンのような、優しくオーガニックな雰囲気を醸し出します。

これに組み合わされるのが「ナチュラルドリフト・ウッドパネル」。名前の通り、自然な木目を活かした温かみのあるパネルで、カルダモン内装との組み合わせは、まさに北欧のモダンなリビングそのもの。非常にリラックスできる空間だと思います。

チャコール

こちらは、よりシックで落ち着いた印象を与えるダークグレーです。汚れが目立ちにくいという実用的なメリットはもちろんですが、それ以上に空間全体を引き締め、インパネ周りのシルバーのアクセントや、クリスタルシフトノブの輝きを際立たせてくれる効果がありますね。

小さなお子さんがいらっしゃるご家庭や、アウトドアなどでアクティブに使いたい方には、気兼ねなく使えるチャコールの方が精神的に楽かもしれません。

Ultraグレード:五感を満たす最高級「ファインナッパレザー」

そして、Ultraグレードで標準装備となるのが「ファインナッパレザー」です。 これはもう、触れた瞬間に「良いものだ」と分かる、特別な満足感がありますね。

きめが細かく、しっとりと柔らかい肌触りは、まさに格別です。 僕が以前乗っていたV90も、これと同じファインナッパレザーのシートでした。長距離を運転しても体が疲れにくいボルボのシート設計と、この上質なレザーの組み合わせは、本当に最高の体験だったと今でも思います。

Ultraグレードで選べるカラーは、Plusとはまた違った世界観を演出します。

ブロンド

僕のV90がこのブロンド内装でした。一言で言うと、車内が本当に明るく、広く感じられます。特にオプションのパノラマ・ガラス・サンルーフとの組み合わせは開放感抜群で、車内にいるだけで気分が華やぐような、そんな空間でしたね。

ただ、正直なところ、汚れには少し気を使う必要があるかもしれません。特に濃い色のジーンズで乗り降りしていると、シートの乗り込み口あたりに少しずつ色移りすることがありました。もちろん、専用のクリーナーで手入れすれば綺麗になりますが、そういった手間も楽しめる方向けのカラーかな、とは思います。

組み合わされる「ホワイトドリフト・ウッドパネル」は、白木のような非常に明るいウッドで、ブロンド内装の持つクリーンでモダンな雰囲気を一層高めてくれます。

チャコール

同じチャコールでも、Plusのノルディコとは全く違う表情を見せるのが面白いところです。ファインナッパレザーの持つ光沢感が、チャコールの持つ重厚感をさらに引き立て、非常にラグジュアリーな空間を生み出します。

ホワイトドリフト・ウッドパネルとのコントラストも美しく、まるでモダンなホテルのラウンジのような、洗練された大人の雰囲気ですね。高級感を最優先したい方には、この組み合わせがベストかもしれません。

メーカーオプション:ネイビー・へリンボーンウィーブ・テキスタイル シート

そして、Ultraグレードを選ぶなら、ぜひ知っておいてほしいのが、この特別なオプションです。 これは、ラグジュアリーは必ずしもレザーだけではない、というボルボの先進的な考え方を象徴するような内装だと思います。

シート全体が、ウールを30%含んだ、非常に上質なテキスタイルで仕立てられています。 その手触りは、まるで高級なオーダーメイドのジャケットのよう。ヘリンボーン(ニシンの骨)の名が示す特徴的な織り模様が、無機質になりがちな車内に、豊かな表情と温かみを与えてくれます。

ウール素材ならではの特性として、夏は蒸れにくく、冬はレザーのようにヒヤッとしない、という実用的なメリットも大きいですね。「グラファイトブルー」の深みのある色合いと「ホワイトドリフト・ウッド・パネル」の組み合わせは、知的で非常に洗練された空間を生み出します。

ただ、このシートを選ぶ上で、一つだけ、とても重要な注意点があります。 それは、標準のファインナッパレザーシートに備わっている「ベンチレーション機能」と「リラクゼーション(マッサージ)機能」が、このオプションを選ぶと装備されない、という点です。

これは長距離を運転することが多い方にとっては、かなり悩ましいポイントかもしれませんね。 僕自身、V90でナッパレザーシートのベンチレーション機能には、特に夏場、本当に助けられた経験があります。なので、正直なところ、この機能がなくなるのは大きなデメリットだと感じてしまいます。もし僕が今Ultraグレードを選ぶとしたら、このオプションは選ばないですね。

このように、どちらのグレードを選ぶかによって、得られる空間の体験は大きく異なります。 どちらが優れている、という話ではなく、どんな雰囲気の車内で時間を過ごしたいか、という価値観で選ぶのが一番後悔しない選択だと思います。

まるでコンサートホール、Bowers & Wilkinsという選択肢

ボルボの内装を「走るリビング」たらしめている要素は、デザインやシートだけではありません。 その空間を最高の音で満たしてくれる、特別なオーディオシステムの存在も、非常に大きいと僕は思います。

それが、英国のハイエンド・オーディオブランド「Bowers & Wilkins(B&W)」とボルボが共同開発した、プレミアムサウンド・オーディオシステムです。

選ぶべきか?その価値を考える

まず結論から言うと、もし音楽を聴きながらドライブするのが好きで、予算に少しでも余裕があるのなら、このオプションは絶対に追加すべきだと、僕は断言できます。 決して安いオプションではありませんが、支払う金額を遥かに超えるほどの、感動的な体験がそこには待っているはずです。

僕もV90を購入する際、最後まで悩んだのがこのオプションでした。 ですが、思い切って装着して、納車後に初めて好きな音楽をかけた時の衝撃は、今でも忘れられません。「ああ、車の中でこんな音が聴ける時代になったのか」と、鳥肌が立ったのを覚えています。

XC60のB&Wシステム、その実力は

最新のXC60に搭載されているB&Wシステムは、僕が体験したものからさらに進化しています。

  • 15個の高性能スピーカー
  • 1100Wのデジタルアンプ
  • Dirac® Unison™音響テクノロジー

室内の最適な場所に配置された15個のスピーカーが、まるで目の前で演奏しているかのような、クリアで解像度の高いサウンドを生み出します。特に、ダッシュボード中央に鎮座する、黄色いケブラーコーンが美しい「トゥイーター・オン・トップ」は、デザイン的なアクセントとしてだけでなく、高音域の音を濁りなく、まっすぐに耳へ届けてくれる重要な役割を担っています。

そして、このシステムの真骨頂が、センターディスプレイで切り替えられる4つのサウンドモードです。

サウンドモード特徴おすすめの音楽ジャンル
Studio原音に忠実で、クリアなスタジオ録音のような音場。ボーカル、アコースティック、ジャズなど
Individual Stageアーティストが自分だけのために歌ってくれるような、パーソナルな没入感。ポップス、ロックなど
Concert Hallスウェーデンの「ヨーテボリ・コンサートホール」の音響を再現。壮大な臨場感。クラシック、オーケストラ、ライブ音源など
Jazz Club小さなジャズクラブの親密な雰囲気を再現。ジャズ、ブルースなど

僕もV90で、特にお気に入りだったのが「Concert Hall」モードでした。 目を閉じると、本当にコンサートホールの真ん中に座っているかのような、広大で立体的な音の空間が車内に現れるんです。高速道路を走りながらオーケストラを聴いていると、まるで映画のワンシーンのような、非日常的な気分に浸ることができました。

このB&Wオーディオシステムは、Ultraグレードでメーカーオプションとして選択可能です。 単に良い音が出る、というレベルではなく、いつもの通勤路や、見慣れたドライブの景色を、忘れられない特別な体験へと変えてくれる魔法のような装備です。

もしディーラーで試乗する機会があれば、ぜひご自身の好きな音楽を持っていって、このサウンドを体験してみてください。きっと、その価値を分かっていただけると思います。

座り心地を追求したシートの質感

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ボルボの魅力を語る上で、このシートの良さは絶対に外せない、まさにブランドの哲学を体現するようなパーツだと思います。

よく「整形外科医が開発に携わったシート」という話を聞きますよね。 これは決して都市伝説のような話ではなく、実際に人の骨格や身体への負担を徹底的に研究して設計されています。そのこだわりが、あの驚くほど疲れにくい、唯一無二の座り心地を生み出しているんですね。

僕もV90に乗っていた頃、このシートの恩恵を何度も実感しました。 特に印象的だったのは、名古屋からディズニーランドまで、約350kmを一人で運転した時のことです。以前の車なら、途中で何度か休憩を挟まないと腰が痛くなっていたのですが、V90では目的地に着くまでほとんど疲れを感じなかったんです。「ああ、これがボルボのシートなのか」と、心から感動したのを覚えています。

最新のXC60も、もちろんその伝統と哲学を色濃く受け継いでいます。 ただ、最新モデルではグレードごとにその「快適性の表現方法」が少し異なってくるのが面白いところです。

どのグレードでも変わらない「安全と快適の基本骨格」

まず大前提として、PlusグレードでもUltraグレードでも、シートの基本的な骨格や設計思想は全く同じです。 つまり、どのXC60を選んでも、ボルボならではの「長距離でも疲れにくい」「身体をしっかり支えてくれる」という本質的な価値は、十分に感じることができると思います。

この骨格には、ボルボが世界に誇る安全技術も組み込まれています。 その代表格が、後方から追突された際に乗員の首への衝撃を緩和する「WHIPS(後部衝撃吸収リクライニング機構付フロントシート)」です。万が一の時、シートバックが身体の動きに合わせてしなるようにリクライニングすることで、むち打ちなどの傷害を大幅に軽減してくれる仕組みですね。

このように、見た目のデザインや豪華さだけでなく、乗員を守るという安全思想が骨の髄まで染み込んでいる。これもまた、ボルボのシートが世界中から高く評価される理由の一つだと思います。

グレードごとの特徴と機能性の違い

その上で、最新モデルではグレードごとに素材や追加機能が明確に差別化されています。 それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

グレードシート素材主な快適機能
Plusノルディコ電動調整(基本機能)、シートヒーター
Ultraファインナッパレザー電動調整(多機能)、シートヒーター、ベンチレーション、リラクゼーション(マッサージ)
Plusグレード:本質を味わう、ノルディコシート
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Plusグレードに採用される新素材「ノルディコ」のシートは、ボルボが考えるこれからのラグジュアリーを体現しているように感じます。 レザーではないことにネガティブな印象を持つ必要は全くなくて、むしろ積極的に選びたくなる魅力がありますね。

サラリとした手触りは、本革とはまた違う心地よさがあります。 特に夏場の炎天下に駐車していた車に乗り込む時、本革シートのように熱くなりにくいのは嬉しいポイントかもしれません。逆に冬場も、レザー特有のヒヤッとした感じが少ないですね。もちろんシートヒーターも標準装備なので、冬のドライブも快適です。

何より、ボルボならではの身体を包み込むようなシート形状と、適切な硬さのクッションはそのままです。日常の買い物から週末のロングドライブまで、あらゆるシーンで「ああ、良いシートだな」と実感できるはずです。

■Ultraグレード:五感を満たす、多機能ファインナッパレザーシート
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そしてUltraグレードのファインナッパレザーシートは、まさに「至れり尽くせり」という言葉がぴったりの、特別な快適性を備えています。

滑らかで上質なレザーの質感はもちろんですが、特筆すべきはその多機能性です。

電動バックレスト・サイドサポート調整

これは、背もたれのサイド部分の張り出しを電動で調整できる機能です。体型に合わせてフィット感を高められるのはもちろん、少しスポーティに走りたい時にサポートを強めれば、カーブで身体がぶれにくくなる効果もあります。

ベンチレーション機能

シートの座面と背もたれから、涼しい風が出てくる機能です。特に夏場の長距離ドライブでは、背中やお尻の蒸れを劇的に軽減してくれます。一度この快適さを知ってしまうと、もうこの機能なしの車には戻れない、と感じる人も多いのではないでしょうか。

リラクゼーション機能(マッサージ)

いわゆるマッサージチェアのような強い刺激ではありませんが、背中から腰にかけて、ゆっくりと動いて筋肉をほぐしてくれます。高速道路の渋滞中や、長時間の運転で少し身体が固まってきたな、という時に使うと、血行が促進されて本当にリラックスできます。まさに「走るリビング」というボルボのコンセプトを象徴するような機能ですね。

このように、Plusグレードが「本質的な快適さ」を追求しているのに対し、Ultraグレードは「付加価値としての、より積極的な快適さ」を提供してくれる、と言えるかもしれません。

どちらを選ぶかは、本当にライフスタイル次第だと思います。 ですが、どちらを選んだとしても、運転を終えて車から降りる時、きっと「この車にして良かった」と感じられる。それこそが、ボルボのシートが持つ一番の価値だと僕は思います。

インパネとセンターディスプレイの機能美

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XC60の運転席に座って、まず誰もが息をのむのが、このインパネ周りの美しさではないでしょうか。 物理的なボタンを極限まで削ぎ落とし、一枚の大きなガラスパネルと、柔らかな素材、そしてウッドパネルが調和した空間。これは単に見た目がモダンというだけでなく、ボルボが長年培ってきた「スカンジナビアンデザイン」と「人間中心」という哲学の、まさに集大成だと僕は感じます。

運転に必要な情報を、美しく、そして直感的にドライバーへ届ける。そのための機能が、このシンプルな空間には凝縮されているんですね。

そして、その中心的な役割を担うのが、最新のXC60ではさらに大きく、賢く進化したセンターディスプレイです。

まるで高級タブレット。11.2インチ縦型タッチスクリーン

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最新のXC60には、全グレード共通で11.2インチの縦型タッチスクリーンが標準装備されています。

僕が乗っていたV90は9インチでしたから、それと比べてもかなり大型化し、視認性が格段に向上しているのが分かります。この「縦型」というのが実は大きなポイントで、特にナビゲーションを表示させた時にその真価を発揮します。

一般的な横長のディスプレイだと、進行方向の地図の表示領域が狭くなりがちですが、縦型だと進行方向をより広く表示できるため、先の道路状況を把握しやすいんです。これは運転中の安心感に直結する、とても合理的なデザインだと思いますね。

「Google搭載」がもたらす、革命的な使いやすさ

そして、このディスプレイの価値を決定づけているのが、Googleが標準で搭載されているという点です。 僕のV90に搭載されていた「SENSUS」というシステムも当時は先進的でしたが、このGoogle搭載システムは、正直に言って全くの別次元です。

具体的に、何がそんなに凄いのか、ポイントを3つに絞ってみたいと思います。

  1. 普段使いの「Googleマップ」がそのまま使える
    • これは本当に大きなメリットです。わざわざスマートフォンのナビを使わなくても、リアルタイムの交通情報を反映した最適なルート案内や、最新の施設情報を常に利用できます。車載ナビにありがちな「地図が古くて新しい道が表示されない…」なんていうストレスとは無縁ですね。
  2. 驚くほど賢い「Googleアシスタント」による音声操作
    • 「OK, Google」と話しかけるだけで、ナビの目的地設定はもちろん、「エアコンの温度を22度にして」「一番近いコンビニを探して」といった、車両機能の操作や周辺検索が完了します。 この音声認識の精度が非常に高く、ほとんど言い間違えることがありません。運転中に視線をディスプレイに落とすことなく、声だけで様々な操作が完結するのは、ボルボが最も重視する「安全性」の観点からも非常に重要だと思います。
  3. アプリを追加できる「Google Play」対応
    • スマートフォンと同じように、Google Playストアから対応アプリを直接車にダウンロードできます。例えば、音楽ストリーミングサービスの「Spotify」や、オーディオブックの「Audible」などを入れておけば、スマートフォンを接続しなくても、車単体でシームレスに楽しむことができます。

もちろん、従来のApple CarPlayやAndroid Autoにも対応しているので、同乗者のスマートフォンを繋ぎたい時や、使い慣れたアプリを使いたい時など、状況に応じて柔軟に選べるのも嬉しいポイントです。

考え抜かれた「残す」という判断

これだけタッチディスプレイが高機能化する一方で、ボルボが素晴らしいなと感じるのは、「全てを無くしたわけではない」という点です。

例えば、ハザードランプや、フロント・リアガラスのデフロスター(曇り止め)といった、緊急時や咄嗟の判断で操作する必要がある機能は、きちんと物理的なボタンとしてセンターディスプレイの下に残されています。 何でも新しくすれば良いというわけではなく、安全のために何を残すべきか。そんな冷静な判断ができるのが、ボルボの深いところですよね。

ただ、正直なところ、エアコンの風量調整など、日常的に使ういくつかの機能がタッチパネル内に集約されているため、慣れるまでは少し戸惑うかもしれません。物理ボタンのように、手探りでの直感的な操作は難しいですね。このあたりは、デザインの美しさと操作性のトレードオフと言える部分かもしれません。

細部への配慮も忘れない

また、インパネ周りの実用性という点では、電源の確保も重要です。 最新のXC60では、センターコンソール前方にUSB Type-Cポートが複数用意されているのに加えて、昔ながらの12V電源ソケットも、トンネルコンソール前とラゲッジスペースの2か所にしっかりと標準装備されています。

ドライブレコーダーやレーダー探知機など、まだまだ12V電源を必要とするアクセサリーは多いですから、こうしたユーザーへの配慮が残されているのは、とてもありがたいポイントだと感じます。

芸術的なクリスタルシフトノブの輝き

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ボルボの内装を語る時、このパーツの存在を抜きにしては考えられないかもしれません。 それは単なるシフトレバーという機能部品ではなく、まるで芸術品のような輝きで空間全体の質感を決定づけている、特別なアイテムですね。

それが、スウェーデンが世界に誇るガラスメーカー「オレフォス(Orrefors)社」が手掛ける、クリスタルシフトノブです。

100年以上の歴史を持つ、王室御用達ブランドの魂

まず、この「オレフォス」というブランドについて少しだけお話しさせてください。 1898年に創業した、スウェーデンを代表する老舗のクリスタルブランドで、その高い芸術性と品質からスウェーデン王室御用達としても知られています。熟練した職人たちの手作業によって生み出されるグラスやアート作品は、世界中で高く評価されています。

そんな歴史と伝統を持つブランドが、ボルボのためだけに一つひとつ手作りしているのが、このシフトノブなんです。 そう考えると、この小さなクリスタルに、スウェーデンのクラフトマンシップの魂が込められているようで、なんだか特別な感慨が湧いてきますよね。

光と戯れる、車内の宝石

このシフトノブの魅力は、何と言ってもその圧倒的な美しさにあります。

日中の自然光の下では、透明なクリスタルの内部に光が差し込み、キラキラと複雑な輝きを放ちます。電子式のシフトバイワイヤだからこそ実現できた、このコンパクトで美しい形状だと思います。

そして、このシフトノブが最も妖艶な表情を見せるのが、夜間です。 エンジンをスタートさせると、内部に埋め込まれたLEDが点灯し、アンビエントライトと連動してクリスタル全体が淡く光を放ちます。その光が内部で乱反射して、まるで暗闇に浮かぶ宝石のようにも見えるんです。

この光景は、車に乗り込むたびに、そしてシフト操作をするたびに、オーナーであることの喜びを静かに満たしてくれる、特別な演出だと感じます。

全てのオーナーに、最高の体験を

実はこのシフトノブ、以前は僕が乗っていたV90でも最上位グレードの「Inscription(現在のUltraに相当)」それもプラグインハイブリッドモデルの「T8」だけに許された、特別な装備でした。まさにオーナーのステータスを象徴するようなアイテムだったんです。

それが、2024年モデルの仕様変更の際に、なんと全グレードで標準装備となりました。

これは本当に大きなニュースで、ボルボがブランド全体の体験価値をさらに引き上げようとしている、という強い意志の表れのように感じます。

Plusグレードを選んだとしても、この最高に美しいシフトノブが自分の車にある。 これは、所有する満足感を計り知れないほど高めてくれる、本当に嬉しいポイントではないでしょうか。

これからXC60のオーナーになる方は、グレードに関係なくその喜びを味わえるわけですから、正直に言って、本当に羨ましい限りです。

もちろん、少しだけ現実的な話をすると、クリスタルなので指紋が付きやすいという点はあります。でも、それすらも「こまめに拭いて、いつも綺麗にしておきたい」と思わせるような、愛着の湧く、不思議な魅力を持ったパーツですね。

十分な容量を誇るラゲッジスペース

XC60 ラゲッジスペース
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ボルボの車作りが素晴らしいなと感じるのは、あれほど美しいデザインをしていながら、実用性を全く犠牲にしていないところなんですよね。 むしろ、使う人の毎日を豊かにするための「機能性」を、デザインと同じくらい大切にしている。その思想が、このXC60のラゲッジスペースにはっきりと表れていると思います。

僕が乗っていたV90はステーションワゴンだったので、広大な荷室が自慢でした。 だからこそ、SUVであるXC60のラゲッジスペースはどうなんだろう?と、特に気になるポイントでもあります。

数値以上の「使いやすさ」を感じる空間設計

まず、具体的な容量から見ていきましょう。 5人乗車時のラゲッジスペース容量は483L。これは、ライバルとなるメルセデス・ベンツ GLCやBMW X3といったミドルサイズSUVと比較しても、十分に競争力のある数値です。

でも、ボルボのラゲッジスペースの本当の価値は、この数字だけでは分からない「空間の質の高さ」にあると僕は思います。

実際に見てみると分かるのですが、ラゲッジスペースの形状が非常にスクエア(四角形)なんです。 タイヤハウスの出っ張りなどが最小限に抑えられているため、デッドスペースがほとんどありません。これが何を意味するかというと、スーツケースやゴルフバッグ、キャンプ用のコンテナといった、形の決まったものを隙間なく効率的に積み込める、ということなんですね。

開口部が広くて低いのも、嬉しいポイントです。 重い荷物を持ち上げて積み込む時の、最後の「あと少し」がとても楽になります。床面もほぼフラットなので、荷物を奥まで滑り込ませるのもスムーズです。

この「数値には表れにくい使いやすさ」こそ、日々の生活の中で「ああ、この車にして良かったな」と実感させてくれる、大切な部分だと思います。

あらゆるシーンに対応する、柔軟なシートアレンジ

もちろん、さらに大きな荷物を積みたい時にも柔軟に対応してくれます。 後部座席は60:40の分割可倒式になっていて、背もたれを倒すとラゲッジスペースと繋がり、広大な空間が出現します。

この時の最大容量は1410L。 これだけの広さがあれば、例えばIKEAなどで少し大きな家具を買った時や、子供の自転車を積みたい時でも、全く問題ありません。

このシートアレンジが便利なのは、単に広い空間が作れる、というだけではありません。

  • 3人乗車+長尺物
    • 例えば、スキーやスノーボード、釣竿といった長いものを積みたい時。後部座席の40側だけを倒せば、大人3人がゆったり座りながら、趣味の道具をスマートに積むことができます。
  • チャイルドシートを載せたまま
    • 後部座席の片側にチャイルドシートを装着している場合でも、もう片側だけを倒して荷室を広げることができます。子育て世代にとっては、これは本当にありがたい機能ですよね。

後席を倒した際、床面がほぼフラットになるのもボルボのこだわりです。 段差がほとんどないので、荷物の出し入れがスムーズなのはもちろん、少し工夫すれば車中泊なども快適に楽しめるかもしれませんね。

「あったら嬉しい」が標準装備。便利な機能たち

そして、XC60のラゲッジスペースには、日常のちょっとしたストレスを解消してくれる、気の利いた機能が標準で備わっています。

その代表格が、「ハンズフリー・パワーテールゲート」です。

これは、キーをポケットやバッグに入れたまま、リアバンパーの中央下あたりで足をサッと出し入れするだけで、自動でテールゲートが開閉する機能です。 例えば、スーパーで両手いっぱいに買い物袋を抱えている時や、雨の日に傘を差しながら子供を抱っこしている時。そんな「テールゲートを開けるボタンを押すことすら難しい」という状況で、本当にそのありがたみを実感するのではないでしょうか。

一度この便利さを体験してしまうと、もうこれなしの生活には戻れない、と感じるほどの機能ですね。

その他にも、

  • 荷物を固定するためのフック
  • 小物類をまとめられるサイドネット
  • ラゲッジスペースの床下に設けられた、ちょっとした収納スペース
  • ポータブル冷蔵庫などの電源として使える12V電源ソケット

といった、日常からレジャーまで、あらゆるシーンで「あって良かった」と思える装備が、最初からしっかりと備わっています。

このようにXC60のラゲッジスペースは、単に荷物を運ぶための「箱」ではありません。 使う人の様々なライフスタイルを想像し、どうすればもっと快適に、もっとスマートに過ごせるか、というボルボの優しい眼差しが詰まった、もう一つの「リビング」のような空間だと、僕は思います。

XC60の内装・外装デザインの細部を深掘り

https://www.volvocars.com/jp/cars/xc60-hybrid/

さて、ここからは外装デザインを中心に、さらに細かい部分に目を向けていきましょう。最新モデルで設定されている外装色や、グレードごとの明確な違いなど、XC60をこれから選ぶ上で知っておきたいポイントを解説していきます。

  • 外装色で見る人気カラーの傾向
  • 存在感を放つトールハンマーLED
  • グレードごとに異なるホイールデザイン
  • マイナーチェンジで進化したポイント
  • 総括:XC60の内装・外装デザインの魅力

外装色で見る人気カラーの傾向

車の外装色は、その車の個性を決定づける、とても大切な要素ですよね。 特にボルボのカラーバリエーションは、ただの「色」というよりも、一台一台に特別な「世界観」を与えるような、深みのある色が揃っているように感じます。

それは、北欧の厳しい自然や、穏やかな光からインスピレーションを得ているからかもしれません。 最新のXC60で用意されている6色は、まさにその哲学を体現するような、魅力的なラインナップだと思います。

ここでは、それぞれの色が持つ個性や魅力について、僕自身の視点も交えながら、一つひとつじっくりと見ていきたいと思います。

定番にして王道。「白と黒」という選択

まずは、どんな車でも人気の基本となる、ホワイトとブラックから見ていきましょう。

クリスタルホワイト

これは、単なる真っ白ではありません。光を受けると真珠のように微細な粒子がキラキラと輝く、非常に美しいパール塗装です。XC60の持つ、彫刻的でクリーンなボディラインを最も美しく見せてくれる色の一つだと思います。

清潔感や上品さはもちろん、車体全体を大きく見せる効果もあるので、SUVらしい存在感を求める方にもぴったりですね。リセールバリューを考えても、まず間違いない選択肢と言えるでしょう。

オニキスブラック

こちらも定番ですが、XC60が纏うブラックは、吸い込まれるような深みのあるメタリックブラックです。磨き上げられたボディは、まるで鏡のように周囲の景色を映し込み、都会的で非常にエレガントな印象を与えます。

夜の街灯の下などでは、ボディの抑揚が際立って本当に美しいんですよね。もちろん、傷や汚れが少し目立ちやすいという側面はありますが、それを補って余りあるほどの高級感と精悍さが、この色の魅力だと思います。

ボルボらしさを表現する「個性的なカラーたち」

そして、ここからがボルボのカラー選びの面白いところです。 他のブランドとは一味違う、知性や個性を感じさせるカラーが揃っています。

ヴェイパーグレー

最近のボルボを象徴するような、モダンでとてもお洒落なカラーですね。メタリック感のないソリッドなライトグレーで、まるで磨き上げられたコンクリートのような、無機質で都会的な雰囲気が特徴です。

XC60のシンプルなスカンジナビアンデザインと非常に相性が良く、派手さはないのに、なぜか目で追ってしまうような不思議な存在感があります。

デニムブルー

僕が個人的にとても好きな、ボルボを代表するカラーの一つです。その名の通り、深みのあるデニムのような、少しだけグレーを含んだ落ち着いたブルーですね。華やかさよりも、知性や誠実さを感じさせる色だと思います。

僕がV90で選んだのも「マジックブルーメタリック」という青系の色でしたが、ボルボのブルーは本当に深みがあって、見れば見るほど愛着が湧いてくるんです。人と同じは嫌だけど、奇抜すぎるのはちょっと…という方に、ぜひお勧めしたいですね。

ブライトダスク

これは非常にユニークで、時間や光の角度によって表情を変える不思議な色です。明るい場所では上品なシャンパンゴールドやブロンズのように見え、夕暮れ時(Dusk)には少しピンクがかったシルバーのようにも見えます。

XC60の持つラグジュアリーな側面を、最もエレガントに表現してくれるカラーかもしれません。

フォレストレイク

こちらも最近加わった、北欧の自然を彷彿とさせるアースカラーです。深い森の湖をイメージしたという、緑がかった落ち着きのあるグレーですね。

アウトドアシーンにはもちろん、都会の街並みにも不思議と溶け込む、非常に洗練された色だと思います。環境への配慮を大切にするボルボのブランドイメージとも重なりますし、穏やかで本質的な価値を求める方にぴったりの選択肢ではないでしょうか。

マルベリーレッド

スポーティな赤とは一線を画す、熟した果実のような深みのあるワインレッドですね。情熱的なのに、どこか知性を感じさせるのがボルボらしいと思います。

XC60の優雅なデザインを、最もドラマチックに見せてくれる大人のための特別なカラーかもしれません。

オーロラシルバー

単なる銀色ではなく、名前の通りオーロラのような澄んだ輝きを持つ、非常に明るく洗練されたシルバーです。

XC60の持つクリーンで先進的なイメージにぴったりですね。都会的でモダンなスタイルを好む方に、とても似合う色だと思います。

このように、XC60のカラーバリエーションは、どれを選んでも後悔しないような、魅力的な色ばかりです。 もちろん、リセールを考えると白や黒が無難、という考え方もあります。ですが、ボルボを選ぶ方は、そうした価値観だけではない、自分だけの個性を大切にする方が多いように感じます。

ぜひ一度、ディーラーで太陽の光の下、様々な角度から実車を見てみてください。 カタログやWebサイトで見るのとは全く違う、それぞれの色が持つ本当の魅力に、きっと出会えるはずです。

※画像はボルボ公式見積もりシミュレーションより参照:全てPlus B5 AWD マイルドハイブリッドモデル(https://www.volvocars.com/jp/build/xc60/

存在感を放つトールハンマーLED

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現代のボルボのデザインを語る上で、このヘッドライトの存在は絶対に外せませんよね。 それはもはや単なる「車の目」という部品ではなく、ブランド全体の哲学とアイデンティティを雄弁に物語る、力強い象徴だと僕は感じています。

それが、北欧神話に登場する最強の雷神「トール」が持つハンマー、”ミョルニル”をモチーフにした「トールハンマーLEDヘッドライト」です。

このデザインのおかげで、遠くからでも、暗闇の中でも、一瞬で「あ、ボルボだ」と分かるようになりました。

このライトは、ただ格好良いというだけではありません。そこには、ボルボが何よりも大切にする「安全性」に対する、深く、そして徹底的なこだわりが込められているんです。

昼間の安全性:自らの存在を知らせる「光の鎧」

まず注目したいのが、日中の機能である「デイタイムランニングライト」としての役割です。

エンジンをかけると、このT字型のライトが非常に明るく点灯します。 なぜ昼間からライトを点けるの?と不思議に思う方もいるかもしれませんが、これは、他の車や歩行者、自転車に対して、自車の存在を早期に、そして明確に知らせるための、非常に重要な安全機能なんです。

XC60のヘッドライトは、まさに昼間から光の鎧をまとうように、周囲のすべての人々に対して、静かに、しかし確実にその存在を主張してくれているんですね。

夜間の安全性:まるで魔法、常に最高の視界を約束する光

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そして、このヘッドライトがその真価を最も発揮するのが、夜間のドライブです。 最新のXC60には、「フル・アクティブ・ハイビーム」という、非常に賢い機能が備わっています。

これは、ただ単にハイビームとロービームを自動で切り替える、という単純なものではありません。

フロントガラス上部に内蔵されたカメラが、常に前方の交通状況を監視しています。そして、先行車や対向車を検知すると、その車がいる部分だけを、まるで光のカーテンで優しく包み込むように、ピンポイントで遮光してくれるんです。

その結果、どうなるか。 相手のドライバーを眩惑させることは一切なく、それ以外の場所は常にハイビームで、まるで昼間のように明るく照らし続けてくれる、というわけです。

僕が乗っていたV90にも同じ機能がついていましたが、初めて街灯のない真っ暗な田舎道を走った時の感動は、今でも忘れられません。 自分の進行方向はずっと先まで明るく照らされているのに、前を走る車や、すれ違う対向車は全く眩しそうにしていない。まるで魔法を見ているような感覚でした。

この機能のおかげで、夜間の運転が本当に楽になりましたし、何より、歩行者や障害物の早期発見に繋がり、心の底から安心して運転に集中できるようになりました。

このように、トールハンマーLEDヘッドライトは、見る者を惹きつける圧倒的なデザイン性と、乗員だけでなく周囲のすべての人々の安全までをも考慮した究極の機能性、その二つが完璧な次元で融合しています。

これこそが、ボルボというブランドそのものを象徴している、と僕は思うんです。

グレードごとに異なるホイールデザイン

車の足元を飾るホイールは、人間で言えば「靴」のようなものかもしれませんね。

どんな靴を選ぶかでその人の個性やスタイルが変わるように、ホイールのデザインやサイズは、車全体の印象を決定づける、非常に重要な要素だと思います。

最新のXC60は、このホイール選びがとても面白いんです。

単にデザインが違うだけでなく、グレードごとにインチサイズが明確に分けられていて、それぞれが目指すキャラクターがはっきりと表現されています。

まずは、その違いを一覧で見てみましょう。

グレードホイールサイズタイヤサイズデザインの特徴
Plus B518インチ235/60R185スポーク・シルバー
Ultra B5 AWD19インチ235/55R195-Vスポーク・ダイヤモンドカット/ブラック
Ultra T6 AWD PHEV21インチ255/40R215-ダブルスポーク・ダイヤモンドカット/ブラック

それでは、それぞれのホイールが持つ魅力と、それが乗り味にどう影響するのかを、僕の視点も交えながら詳しく解説していきますね。

Plus B5:最もバランスの取れた選択、18インチ

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Plusグレードに標準装備されるのは、クリーンな印象の5スポーク・シルバーの18インチホイールです。

これは、XC60が持つ本来のエレガントな魅力を、最も素直に表現しているデザインだと感じます。

そして、注目すべきは「235/60R18」というタイヤサイズです。

この「60」という数字は扁平率を表していて、数字が大きいほどタイヤの側面(サイドウォール)の厚みが増します。つまり、路面からの衝撃を吸収してくれるゴムのクッション部分が一番厚い、ということなんですね。

その結果、3つのグレードの中では最も乗り心地がしなやかで、快適性が高いのが、この18インチ仕様の大きなメリットです。

荒れた路面を走る時や、段差を乗り越える時も、角の取れたマイルドな乗り味を体感できると思います。

また、将来的にタイヤを交換する際の費用が、インチが大きくなるほど高くなる傾向にあるので、経済的な面でも最もバランスの取れた選択肢と言えるかもしれません。

Ultra B5 AWD:デザインと走りの質感を高める、19インチ

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Ultra B5 AWDになると、ホイールは1インチアップの19インチになります。

デザインも、表面を削り出したダイヤモンドカットとブラックの塗り分けが施された、非常に凝ったものに変わりますね。

このホイールを履くと、足元がグッと引き締まり、車全体の安定感や高級感が格段に増す印象です。

タイヤサイズは「235/55R19」となり、18インチよりも少しだけタイヤの厚みが薄くなります。

これにより、乗り心地は18インチに比べると少しだけ引き締まった印象になりますが、その分、ハンドリングの応答性は少しシャープになります。カーブを曲がる時など、よりダイレクトに車の動きを感じられるようになるんですね。

見た目の美しさと、スポーティな走行フィールの両方を高い次元で両立させたい、という方に最適な選択肢だと思います。

Ultra T6 AWD Plug-in hybrid:究極の存在感を放つ、21インチ

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そして、最上位グレードであるUltra T6 PHEVには、標準で21インチという非常に大径のホイールが装着されます。

デザインも、より複雑でスポーティなものが採用されており、その佇まいは圧倒的な迫力と存在感を放ちます。

この大径ホイールは、単に見た目のためだけではありません。

300馬力を超えるシステム出力と、バッテリーを搭載した重い車体をしっかりと支え、そのパフォーマンスを余すことなく路面に伝える、という重要な役割も担っています。

ただ、これだけ大径で、タイヤの扁平率も「40」と非常に薄くなると、乗り心地への影響は気になるところですよね。一般的に、タイヤのクッション性が少なくなるため、路面からの細かな凹凸を拾いやすくなる傾向にあります。

しかし、そこはボルボ。ちゃんと解決策を用意してくれています。

魔法の絨毯、FOUR-Cエアサスペンション

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Ultra T6 PHEVには、「FOUR-C アクティブパフォーマンスシャシー(エアサスペンション)」が標準装備されています(Ultra B5 AWDではオプション選択可)。

これは、従来の金属のバネの代わりに、空気のバネ(エアスプリング)を使った非常に高度なサスペンションシステムです。

このシステムの凄いところは、

  • 路面状況や運転操作に応じて、サスペンションの硬さを1秒間に最大500回という速さで自動調整してくれる
  • 乗車人数や荷物の量に関わらず、常に車体の高さを一定に保ってくれる(セルフレベリング機能)

という点です。

これにより、21インチという大径ホイールを履いていながら、まるで魔法の絨毯に乗っているかのような、しなやかでフラットな乗り心地を実現しています。

もちろん、ドライブモードを切り替えれば、スポーティで引き締まった走りにキャラクターを変えることも可能です。

このように、XC60のホイールは、単なるデザインの違いだけでなく、それぞれのグレードが目指す走りや快適性の思想と深く結びついています。

ぜひ試乗する機会があれば、インチごとの乗り味の違いにも注目してみてください。きっと、自分にとっての「最高の靴」が見つかるはずです。

マイナーチェンジで進化したポイント

現行XC60は、2021年のマイナーチェンジでGoogle搭載のインフォテインメントシステムを採用し、内外装のデザインをリフレッシュしました。

その後も年次改良で進化を続けており、特に2024年モデルではクリスタルシフトノブが全車標準装備になるなど、装備の充実が図られています。

ここで、最新モデルのグレード構成と特徴を改めて整理しておきましょう。

グレード駆動方式内装ホイール主な装備
Plus B5FFノルディコ18インチ11.2インチディスプレイ、クリスタルシフトノブ
Ultra B5 AWDAWDファインナッパレザー19インチharman/kardonオーディオ、パノラマサンルーフ
Ultra T6 AWD PHEVAWDファインナッパレザー21インチエアサスペンション、専用外装パーツ

マイナーチェンジで進化したポイント

車って、一度発売されたら終わり、というわけではないんですよね。 特に今のボルボを見ていると、まるで生き物のように、毎年少しずつ、しかし着実に進化を続けているのがよく分かります。

現行のXC60は2017年に登場して以来、その完成度の高さから世界中で評価されてきましたが、今日に至るまで、大小様々な改良が加えられてきました。 特に、中古車を検討する際には「どのタイミングのモデルなのか」を知ることが、自分にとってベストな一台を見つけるための重要な鍵になります。

ここでは、XC60の進化の歴史における、特に大きな2つのターニングポイントと、それを経て完成した最新モデルのグレード構成について、じっくりと見ていきたいと思います。

大きな転換点:2021年マイナーチェンジ

まず、現行XC60の歴史の中で最も大きな変化があったのが、2021年に行われたマイナーチェンジです。 これは、内外装のデザインがリフレッシュされただけでなく、車の「頭脳」とも言える部分が、全く新しいものに入れ替わった、という点で非常に重要です。

インフォテインメントシステムが「Google搭載」に

これが最大の変更点ですね。僕が乗っていたV90に搭載されていた「SENSUS」も当時は非常に優れたシステムでしたが、このGoogle搭載システムは、操作性、情報の新しさ、音声認識の精度、その全てにおいて別次元と言っていいほどの進化を遂げました。

これにより、ナビゲーションの使い勝手などが劇的に向上し、より現代的な車へと生まれ変わったんです。

エクステリアデザインの洗練

外観も、よりクリーンでモダンな印象になりました。特に分かりやすいのが、フロントグリルや前後バンパーのデザイン変更です。 特にリアバンパーは、それまで見えていたマフラーの排気口(マフラーカッター)が隠されるデザインになりました。

これは、ボルボがこれから電動化をさらに加速させていく、という未来への意志表示のようにも感じられて、個人的にはとても好きな変更点ですね。

この2021年のマイナーチェンジを境に、XC60は「前期型」「後期型」と言えるくらい、その中身を大きく進化させたと考えて良いと思います。

深化と熟成の証:2024年モデルの仕様変更

そして、デザインやシステムが大きく刷新された後も、ボルボは細かな熟成を続けています。 その中でも、ユーザーにとって非常に嬉しい変更があったのが、2024年モデルでの仕様変更です。

クリスタルシフトノブの全グレード標準装備

以前は上位グレードの象徴だった、あの美しいオレフォス社製のクリスタルシフトノブが、このタイミングで全てのグレードに標準装備となりました。これは本当に大きなニュースでしたね。

ベーシックなグレードを選んでも、車内で最も心躍るパーツの一つが手に入るようになった。ボルボがブランド全体の体験価値を、さらに高いレベルで提供しようとしている姿勢の表れだと思います。

このように、大きな変更だけでなく、年々装備を充実させ、その魅力を高め続けているのが、今のXC60なんです。

最新モデルのグレード構成とそれぞれの個性

そうした進化の歴史を経て、最新のXC60は、非常に個性的で魅力的な3つのグレード構成にたどり着きました。 それぞれの特徴を、改めて詳しく見ていきましょう。

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グレード駆動方式内装ホイール主な特徴・装備
Plus B5FFノルディコ18インチボルボの本質を凝縮したベースグレード。クリスタルシフトノブなど主要装備は標準。
Ultra B5 AWDAWDファインナッパレザー19インチ豪華装備とAWDの安心感を両立。harman/kardonオーディオやサンルーフも標準。
Ultra T6 AWD PHEVAWDファインナッパレザー21インチ圧倒的な動力性能と環境性能。エアサスや専用外装パーツを備えるフラッグシップ。

この表を見ると、それぞれのキャラクターがとても明確なのが分かりますよね。

  • Plus B5は、ボルボならではのデザインや安全思想、そしてGoogle搭載システムといった「本質的な価値」を、最もスマートに楽しみたい、という方にぴったりのグレードだと思います。FFならではの軽快な走りも魅力ですね。
  • Ultra B5 AWDは、まさに至れり尽くせりの豪華装備が魅力です。ナッパレザーシートの快適性や、harman/kardonの素晴らしいサウンド、そしてAWDによる全天候型の安心感。XC60が持つ魅力を全て味わい尽くしたい、という方に最適な選択肢かもしれません。
  • Ultra T6 AWD Plug-in hybridは、もはや別格の存在感を放っています。静かで力強いモーター走行と、パワフルなエンジンを組み合わせた走りは、未来のドライビング体験そのものです。環境性能を重視しながらも、走りには一切妥協したくない、という方のための究極のXC60と言えるでしょう。

このように、XC60は進化の過程で、ただ新しいものを追加してきたわけではありません。 それぞれのグレードが持つべき個性を磨き上げ、ユーザーが自分のライフスタイルや価値観に合わせて、最も幸せになれる一台を選びやすくしてくれている。 そんなボルボの誠実な姿勢が、このグレード構成からも伝わってくるような気がします。

総括:XC60の内装・外装デザインの魅力

ここまで最新のXC60のデザインについて、様々な角度から見てきました。最後に、この記事の要点をまとめてみたいと思います。

記事のまとめ
  • 最新モデルのグレードはPlus B5、Ultra B5 AWD、Ultra T6 PHEVの3種類
  • 全グレードに11.2インチの縦型タッチスクリーンを標準装備
  • Google搭載でナビの使い勝手が良くスマホ連携もスムーズ
  • クリスタルシフトノブは2024年モデルから全グレード標準装備
  • Plusの内装は新素材「ノルディコ」を採用
  • Ultraの内装は上質な「ファインナッパレザー」
  • Ultraはベンチレーションやマッサージ機能付きシートが標準
  • ハンズフリーで開閉できるパワーテールゲートも全グレード標準
  • 外装色は新色を含む全6色のラインナップ
  • ホイールサイズはPlusが18インチ、Ultra B5が19インチ
  • 最上位のUltra T6 PHEVは21インチの大径ホイールを装着
  • Ultraではharman/kardonオーディオやサンルーフも標準装備
  • Ultra T6 PHEVはエアサスペンションが標準となる
  • 年次改良を重ねて内外装の質感と装備が向上し続けている
  • グレードごとのキャラクターが明確で選びやすくなった
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この記事を書いた人

Tと申します。27歳です。元V90乗りで、ボルボ大好き人間。新型情報から維持費まで、購入検討中の方やオーナーの方に役立つ情報を発信しています。

もともとステーションワゴンが好きで、レガシィツーリングワゴンからの乗り換えの際に「デザイン・性能・ブランドイメージ、全部を満たすのはV90しかない!」と思い、社会人2年目に無理して購入しました。結婚を機に家計の事情で一度手放しましたが、いつかまたV90に乗るために、このブログを続けています。

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