ボルボV60は故障が理由で「買ってはいけない」は本当か?噂の真相とリスク回避術

ボルボV60は故障が理由で「買ってはいけない」は本当か?噂の真相とリスク回避術

こんにちは、Tです。

ボルボV60、すごく良いクルマですよね。デザインも走りも、ボルボらしい知的な雰囲気もあって、気になる方は多いと思います。

でも、いざ購入を考えると「ボルボ V60 故障」なんてキーワードが頭をよぎるかもしれません。「外車はやっぱり壊れやすいのかな」「修理代がとんでもないことになったらどうしよう」…そんな不安、とてもよく分かります。

僕も以前V90に乗っていましたが、やはり購入前は同じ不安がありました。実際のところ、ボルボの故障リスクはどの程度なんでしょうか。

この記事では、V60の購入を検討しているあなたの不安を少しでも解消できるよう、故障の実態やリスクとの賢い付き合い方について、元オーナーの視点も交えながら、現実的にお話ししていこうと思います。

この記事で分かること
  • V60でよく聞かれる故障の具体例
  • 世代ごとの故障リスクの違い
  • 中古車選びで失敗しないためのポイント
  • 購入後に後悔しないための賢い備え方
目次

ボルボV60の故障は多い?噂と実態

ボルボ V60
  • V60のリアルな故障頻度とは
  • 故障に関するユーザー口コミを分析
  • 多い?電装系トラブルの具体例
  • エンジン不具合の事例と傾向
  • トランスミッション故障と修理
  • 最新のリコール情報を確認する

V60のリアルな故障頻度とは

まず結論から言うと、「昔のボルボのイメージほど壊れやすくはないけれど、国産車と同じ感覚ではいけない」というのが僕の正直な感想です。

例えば、米国のJ.D.パワーが発表している自動車耐久品質調査(VDS)などを見ると、ボルボの評価は年次によって変動しています。※1、2

「ボルボ=壊れやすい」と一概に言えるデータがあるわけではなく、むしろ年によっては平均以上の評価を得ることもあります。

ただ、これはあくまで米国の統計データです。

大切なのは、僕たちが使う環境…つまり、高温多湿でストップ&ゴーが多い日本でどうなのか、という点だと思います。

全般的に言えるのは、使用環境や個体差、そして何よりメンテナンス履歴の影響が非常に大きいということです。

同じ年式のV60でも、丁寧に扱われてきた個体とそうでない個体とでは、コンディションが全く違うのは当然ですよね。

※1 出典:J.D. Power U.S. Vehicle Dependability Study(VDS) (2023年, 2024年など)

※2 補足:インフォテインメント領域(ナビやオーディオ)は、業界全体として不具合が報告されやすい分野であるとされています。

故障に関するユーザー口コミを分析

ネットで口コミを検索すると、やはり不安になるような書き込みも見かけますよね。

「警告灯が点灯した」「修理代が数十万円かかった」といった声を見ると、どうしても尻込みしてしまうかもしれません。

一方で、「もう何年も乗っているけど、全くノートラブル」「定期的なメンテナンスだけで快調」という声も同じくらい多く見つかります。

これは結局、クルマの「個体差」や「メンテナンス履歴」、そして「年式」に大きく左右される、ということだと思います。

特に中古車の場合は、前オーナーがどんな乗り方をして、どれだけ丁寧にメンテナンスしてきたかで、コンディションは天と地ほどの差が出ます。

また、「故障」の捉え方にも幅がありますよね。

例えば、ナビがたまにフリーズする、といった軽微なものも「故障」と捉える人もいれば、走行不能になるような重大なトラブルだけを「故障」と考える人もいます。

口コミを参考にする際は、その情報がいつの年式のモデルなのか、具体的な症状は何か、という点まで冷静に見ていくのが良いと思います。

多い?電装系トラブルの具体例

ボルボに限らず、最近の欧州車でよく耳にするのが「電装系のトラブル」です。V60も例外ではなく、いくつかの事例が報告されています。

特にインフォテインメントシステム「SENSUS(センサス)」の不具合は、ユーザー報告が散見されますね。前述の品質調査などを見ても、この分野は各メーカーとも問題が出やすい領域のようです。

僕が乗っていたV90も同じSPAプラットフォームでしたが、縦長の大きなタッチパネルでほとんどの操作を行います。これが、たまにフリーズしたり、再起動がかかったりすることがあるようです。

他には、

  • BLIS(ブラインドスポットモニター)など、安全装備のセンサーが汚れて一時的に警告灯が点く
  • キーレスエントリーが反応しにくい時がある
  • アイドリングストップ搭載車特有の、バッテリー上がりが早い

といった内容も見られます。

これらは走行に直接影響しないことが多いですが、頻発すると少しストレスに感じるかもしれませんね。

エンジン不具合の事例と傾向

次にエンジン本体の不具合ですが、これはV60の「世代」によって注意点が少し異なります。

旧世代(FB/FD系、〜2018年頃)

この世代は、搭載されているエンジンが多岐にわたります。

特に初期の「T4」グレードに搭載されていた1.6L直噴ターボエンジン(フォード製)は、オイル漏れやタイミングベルト周りのトラブルが報告されることがあります。

また、ディーゼルの「D4」モデルは、EGRバルブやDPF関連の問題に注意が必要です。

特にDPF(ディーゼル微粒子捕集フィルター)は、短距離・低負荷走行ばかりが続くと、フィルターに溜まった「すす」を燃焼させる「再生」が不十分になり、堆積が進んで警告灯が点灯することがあります。定期的な長距離・定速走行で、しっかり再生させてあげることが推奨されますね。※

現行世代(ZB系、2018年〜)

現行モデルは、ボルボ自社開発の「Drive-E(ドライブイー)」エンジンに統一されています。

こちらは比較的新しいこともあり、設計に起因するような重大な固有トラブルはあまり聞きません。

ただし、どの世代にも共通して言えるのは、「オイル管理が非常に重要」だということです。

ターボ車であり、複雑な機構も多いため、メーカー推奨サイクル(もしくはそれより早め)でのオイル交換を怠ると、不具合のリスクは確実に上がってしまうと思います。

※出典:RAC “Diesel particulate filters (DPFs): what you need to know”

トランスミッション故障と修理

これは、V60の中古車を検討する上で、個人的に一番気にしてほしいポイントかもしれません。

旧世代(FB/FD系)の「T4」モデル

特に注意が必要なのは、旧世代(FB/FD系)の「T4」(1.6Lエンジン)に組み合わされていた「パワーシフト」と呼ばれる6速DCT(デュアルクラッチトランスミッション)です。

発進時のジャダー(ギクシャク感)や変速ショック、最悪の場合、走行不能になるといった事例が報告されています。

もし修理となると、症状や部位によって費用は大きく変動しますが、修理費が数十万円規模に及ぶ例もあり得ます(必ず事前に見積もりが必要です)。

旧世代(FB/FD系)の後期型

一方、旧世代でも後期型(2014年モデル以降)の「T5」や「D4」などは、日本のアイシン製8速オートマチック(トルコン)が搭載されています。※

僕のV90もこの8速ATでしたが、非常にスムーズで信頼性も高い印象です。

現行世代(ZB系)

現行モデル(ZB系)は、グレードによってトランスミッションが異なります。

例えばB4やB5といったマイルドハイブリッドモデルには7速DCTが、一方でRecharge(PHEV)モデルなどにはアイシン製8速ATが搭載されるなど、併存しています。

DCTのリスクが心配な方は、旧世代後期型の8速ATモデルを選ぶか、現行型でも狙うグレードのミッション種別をしっかり確認するのが安心だと思います。

※出典:Volvo Car Group “Volvo Car Group’s new 8-speed automatic gearbox” (2013年)

最新のリコール情報を確認する

リコールと聞くと「欠陥車」のように思えて不安になるかもしれませんが、僕は逆だと思っています。

「安全」を最優先するボルボだからこそ、不具合の「可能性」がある段階で、しっかり情報公開して無償修理を行う、という誠実さの表れだと感じます。

V60も、もちろんリコールは出ています。

例えば、

  • 燃料ポンプ関連(2021年7月届出:外-3254)
  • 高圧バッテリー関連(2025年4月届出:外-3980)
  • フロントフェンダー関連(2025年6月届出:外-4025)
  • ブレーキコントロールモジュール関連(2025年7月届出:外-4040)

など、直近でも様々な届出が公表されており、対策内容や対象範囲が確認できます。※1

中古車で購入する場合、これらのリコール対策がきちんと実施されているかは非常に重要です。

まず、国土交通省の「自動車リコール・不具合情報(通称:連ラクダ)」でリコールの届出内容を確認するのが良いでしょう。※2

そして、検討している車両が本当に対象なのか、対策が実施済みかどうかのVIN(車台番号)照合は、ボルボ・カー・ジャパン公式の「リコール対象車両検索」ページで行うのが最も確実です。※3

(JASPAのポータルにもVIN検索機能はありますが、輸入車はメーカー公式での確認が推奨されます)

※1 出典:ボルボ・カー・ジャパン「リコール情報」

※2 出典:国土交通省「自動車リコール・不具合情報(連ラクダ)」

※3 出典:ボルボ・カー・ジャパン「リコール等対象車両検索」

【コラム】2025年のブレーキ制御ソフトに関するリコール

最近のボルボは電動化が進んでいますが、2025年にはブレーキ制御ソフトウェアに関する大規模なリコール(例:外-4040)が告知されました。

これは、PHEVやEVモデルにおいて特定の条件下(Bモードやワンペダルドライブでの長い下り坂走行時)で、ブレーキが効かなくなる可能性があるという問題です。

このリコールの対象には、V60(特定年式)も含まれると国内外で報道されており、OTA(無線アップデート)またはディーラーでのソフトウェア更新による対策が進められています。

最新のモデルやPHEVを検討する際は、こうしたソフトウェア関連のアップデート情報にも注意を払う必要がありますね。

ボルボV60の故障と賢く付き合う方法

ボルボV60公式画像
https://www.volvocars.com/jp/cars/v60/
  • 維持費負担を軽減するポイント
  • 中古購入リスクを避けるには
  • 購入後に後悔しないための選び方
  • オーナーができる故障予防法
  • ボルボV60の故障は保証で備えよう

維持費負担を軽減するポイント

ボルボV60の故障リスクをゼロにすることはできませんが、維持費の負担を軽くする「備え」はできます。

一番大切なのは、「予防整備」の考え方を持つことだと思います。

国産車のように「車検の時だけ点検」という感覚だと、いざ不具合が出た時に高額な修理代に驚くことになりかねません。

具体的には、

  • エンジンオイル交換は5,000km〜10,000km、もしくは半年に一度は行う。
  • トランスミッションフルード(ATF/DCTフルード)も定期的に交換する。
  • ブレーキパッドやローターなどの消耗品は、純正品だけでなく、信頼できるOEM品(純正と同じ工場で作っている社外品)も検討する。

そして何より、「信頼できる主治医」を見つけておくことですね。

ディーラーは安心ですが、工賃が割高に感じることもあります。ボルボに詳しい専門の整備工場(ショップ)を近所で見つけておくと、コストを抑えつつ的確なメンテナンスが受けられるので、精神的にも経済的にも大きな助けになると思います。

中古購入リスクを避けるには

中古のV60は、個体差が非常に大きいのが現実です。だからこそ、「安さ」だけで飛びつくと後悔する可能性が高いかもしれません。

リスクを避けるために最低限チェックしたいのは、やはり「整備記録簿」です。

特にディーラーでの点検記録がしっかり残っている個体は、基本的なメンテナンスがされてきた証拠になるので安心材料になります。

逆に、記録簿がなかったり、整備履歴が不明瞭だったりする個体は、どんなに安くても慎重になった方が良いと思います。

他にも、

  • 可能なら試乗させてもらい、異音や振動、特にトランスミッション(DCT)の変速ショックがないか確認する。
  • エンジンルームや下回りを見て、オイル漏れの形跡がないかチェックする。
  • 電装品(ナビ、エアコン、パワーウィンドウなど)が一通り正常に動くか確認する。

といった基本的な確認は、面倒でも必ず行った方が良いですね。

購入後に後悔しないための選び方

前述の通り、V60は年式やパワートレインによって、抱える故障リスクが異なります。

ご自身の予算や使い方に合わせて、「どのV60を選ぶか」が後悔しないための最大のポイントです。

とにかく故障リスクを最小限にしたい方

  • 現行モデル(ZB系)の新車、もしくはメーカー保証が残っている高年式の認定中古車(VOLVO SELEKT)がベストだと思います。コストはかかりますが、数年間の安心が手に入ります。

予算を抑えつつ、信頼性を重視したい方

  • 旧世代(FB/FD系)の後期型で、アイシン製8速AT(トルコン)を搭載したモデル(2014年以降のT5やD4など)が狙い目かもしれません。DCTの懸念を回避できます。

現行(ZB系)の中古車を検討する方

  • 前述の通り、現行型は7速DCTと8速ATが併存しています。狙うグレード(B4, B5, Rechargeなど)がどちらのミッションを搭載しているか、事前に確認しておくと良いでしょう。

購入検討時は、狙うグレードの「ミッション種別(7DCT/8AT)」と、最新のリコールの「対策実施状況」を、車台番号で必ず確認するようにしましょう。

オーナーができる故障予防法

クルマも機械ですから、日々の小さな気遣いが寿命を延ばすことにつながると思います。

大したことではありませんが、

  • エンジンをかけてすぐ(特に冬場)は、急発進や高回転まで回すのを避け、少し暖機運転を意識する(水温計が安定するまで優しく走る)。
  • 駐車する際、ハンドルをいっぱいに切ったまま(据え切り)の状態で長時間放置しない(パワステ系への負担軽減)。
  • 定期的にボンネットを開けて、エンジンオイルや冷却水の量を目視でチェックする癖をつける。

これだけでも、クルマへの負担はかなり変わってくると思います。

僕もV90に乗っていた時は、水温が安定するまでは絶対にアクセルを強く踏まないと決めていました。

「今日はどこか調子悪くないかな?」と、クルマと対話するような感覚で乗るのが、結局一番の予防法かもしれませんね。

ボルボV60の故障は保証で備えよう

さて、ここまでボルボV60の故障について色々とお話ししてきましたが、僕が一番お伝えしたい結論はこれです。

「ボルボV60の故障リスクは、手厚い保証で備えるのが最も賢明」

どんなに良い個体を選び、どんなに丁寧に扱っても、故障する時はしてしまいます。それが機械です。

そして、ボルボの修理代は、部品代も工賃も国産車より高額になるケースがほとんどです。

僕がV90を手放した理由の一つも、メーカー保証が切れた後の維持費(特に高額な修理)に対する不安が大きかったからなんです。

だからこそ、「保証」が重要になります。

  • 新車・認定中古車(SELEKT)の場合
    • 手厚いメーカー保証が付帯しているので、期間内はほぼ心配無用です。
    • 特にボルボの認定中古車「VOLVO SELEKT」は、無償のSelekt保証(走行距離無制限)が付帯し、さらに有償で最長2年間延長できるプランもあります(グレードにより条件差あり)。※これが最大のメリットですね。
  • 一般の中古車販売店で購入する場合
    • 購入時に、販売店が独自に提供している「有償保証」に加入することを強くおすすめします。
    • カーセンサーアフター保証やグー保証など、保証範囲が広く、修理上限額が高いプランを選べると安心です。
    • 「現状販売」や「保証なし」の車両は、安くても避けるのが賢明だと思います。

「保証料」は、未来の安心を買うための「保険料」のようなもの。

この初期投資を惜しまないことが、結果的にボルボV60と長く、安心して付き合っていくための最良の選択だと、僕は強く思います。

※出典:ボルボ・カー・ジャパン「Selekt 保証」

まとめ:ボルボV60の故障について

記事のまとめ
  • V60は「昔ほど壊れる」わけではない
  • ただし国産車と同じ感覚ではいけない
  • 品質調査(J.D. Power等)の評価は年次で変動する
  • 使用環境やメンテ履歴がコンディションを左右する
  • SENSUS(ナビ)の不具合は報告が散見される
  • ソフトウェア更新で改善する場合も多い
  • エンジンは世代によって注意点が異なる
  • 旧世代ディーゼル(D4)はDPF再生に注意
  • 旧世代T4(1.6L)の6速DCTは要注意
  • DCT修理は数十万円規模になる事例あり(要見積)
  • 旧世代後期(MY2014〜)はアイシン製8速ATで信頼性向上
  • 現行型(ZB)は7速DCTと8速ATが併存
  • リコールは誠実さの表れでもある
  • リコール履歴はボルボ公式HPで車台番号検索が確実
  • 2025年のブレーキ制御ソフトリコール(外-4040等)も公表
  • 維持費軽減には「予防整備」と「専門工場」が鍵
  • 中古車は「整備記録簿」が命
  • 試乗して異音や変速ショックの確認は必須
  • 安心を取るなら認定中古車「SELEKT」
  • SELEKTは走行距離無制限の無償保証+有償延長あり
  • 購入時はミッション種別とリコール対策状況の確認を
  • 購入後の安心は「保証」で買うのがベスト
  • 一般中古車店でも有償保証への加入を推奨
  • 保証があればボルボV60は怖くない
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この記事を書いた人

Tと申します。27歳です。元V90乗りで、ボルボ大好き人間。新型情報から維持費まで、購入検討中の方やオーナーの方に役立つ情報を発信しています。

もともとステーションワゴンが好きで、レガシィツーリングワゴンからの乗り換えの際に「デザイン・性能・ブランドイメージ、全部を満たすのはV90しかない!」と思い、社会人2年目に無理して購入しました。結婚を機に家計の事情で一度手放しましたが、いつかまたV90に乗るために、このブログを続けています。

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