クルマ好きの原点、そして最初の相棒
物心ついた頃から、僕はとにかくクルマが大好きでした。 父親が運転する姿を2列目シートから眺めては、「早く自分も運転したい」と心を躍らせていたのを覚えています。母親からは「幼稚園の頃、Tはトミカでバック駐車してたよ(笑)」と、今でも言われるくらいです。
念願の免許を取得してからは、祖父母から譲り受けたワゴンRが最初の愛車でした。ですが、NAの660ccエンジンで走る高速道路は正直かなりキツい…。そして何より、「自分が本当に乗りたいクルマに乗りたい!」という気持ちが日に日に大きくなっていきました。
そして大学生の頃、無謀にもフルローンを組んで手に入れたのが、中古のスバル・レガシィツーリングワゴン(BRM型)。人生で初めて自分で選んだ、大切な相棒です。
この頃から、僕はステーションワゴンの流麗なフォルムにすっかり心を奪われていました。当時、世間はSUVブームの真っ只中。「その中で、あえて不人気のステーションワゴンを選ぶ俺、イケてるんじゃないか?」なんていう自意識がなかったと言えば嘘になりますが(笑)、それ以上に、単純にあの伸びやかなカッコよさに「これしかない!」と感じていたんです。
「次のクルマ」のスイッチが入った、ある点検の日
レガシィにはとても満足していましたし、何よりローンがまだ残っていたので、大学を卒業し社会人になってからも、すぐに乗り換えるつもりはありませんでした。
そんなある日、購入店であるネクステージから定期点検の連絡が来たことが、物語が大きく動くきっかけとなります。
点検のついでに査定をしてくれたのですが、驚きの結果が。 当時120万円で手に入れた僕のレガシィが、3年間乗った今、なんと70万円の価値が付いたのです。
学生時代に組んだフルローンは、金利が鬼の9%。3年間で返済できた元金はわずかでしたが、この査定額なら、追い金10万円ほどでローンを完済できることが分かりました。 しかも、担当さんからは「バッテリーが弱っているので近々交換が必要ですが、数万円かかりますね…」との追い打ち。
乗り続けるにしても、お金がかかる。 …あれ、これって、新しいクルマに乗り換えるチャンスなんじゃないか?
その瞬間、僕の頭の中で「カチッ」と大きなスイッチが入る音がしました。
“人と同じが嫌いな僕”が、ボルボV90にたどり着くまで
そこからの僕は、まさに寝食を忘れる勢いで次の愛車を探し始めました。 基準はただ一つ、「今、一番乗りたいクルマは何か?」
「人と同じ」がどうにも好きになれない、ちょっと捻くれた性格の僕です。当時出たばかりのマツダCX-60のような最新SUVも一応見ましたが、「やっぱり違うな」と早々に候補から除外。自然と、愛するステーションワゴンに絞られていきました。
かといって、街中でたくさん見かけるトヨタのカローラツーリングのような優等生では、僕の心は満たされない。
「長距離を走っても疲れない、ゆったりと余裕のある大人のクルマがいい」 「いつかは輸入車に乗ってみたい」
そんなワガママな条件で探すうち、まず思い浮かんだのは同じくスバルのレヴォーグやレガシィアウトバック。走行性能や安心感は既にスバル車に乗っていたので間違いなかったんですが、現行型のデザインがどうも好きになれず。。
次はドイツ御三家(メルセデス、BMW、アウディ)。でも、ブランドイメージがどうも自分のキャラクターには合わない気がしてスルー。フォルクスワーゲンのパサートヴァリアントも検討しましたが、デザインが今ひとつ好きになれず…。
そして、ついに運命の出会いを果たします。 まさかの選択肢、スウェーデン車「ボルボ」でした。
次世代ボルボのデザインは、まさに完璧でした。特にV90のサイドフォルムは、僕の好みにドストライク。後席のドアからリアフェンダーへ流れていく、あの美しすぎるライン。ワイドな車幅と相まって、その堂々とした佇まいに、文字通り一目惚れしてしまったのです。(V60だと少し箱感が強く感じて、僕にはV90がしっくりきました)
そして、インテリア。 ドイツ車のような派手さはないけれど、本物の木をふんだんに使った温かみのあるパネルと、夜のドライブを優しく演出するアンビエントライト。まるで「落ち着いたリビング」のような空間。
極め付けは、オプションのBowers & Wilkins(B&W)プレミアムサウンド・オーディオシステム。 初心者ながらオーディオも好きな僕にとって、あの美しいスピーカーはインテリアデザインとしても最高だし、その音質はまさに憧れの的でした。
さらに、どのメーカーの車にも標準装備されているシートベルトも、ボルボが開発し、特許を公開したという歴史にも感銘を受けました。
デザインからコンセプトまで、すべてがドンピシャ。僕の理想が、そこにありました。
一目惚れ。その日に即決した理由

さらに僕の背中を押したのが、その価格です。 新車では1000万円近いV90が、人気が少し落ち着いているせいか、中古なら300万円台から狙えるという、信じられない状況。
「これは本気で探すしかない!」
輸入車の故障は怖いので、狙うはメーカーの認定中古車一択。条件は「B&Wオーディオ」と「パノラマルーフ」の両方が付いていること。そんな都合の良い個体があるだろうか…と探していたら、いとも簡単に見つかったのです。
2017年式 V90 T6 AWD inscription、走行距離4.7万km、車両本体価格、約350万円。
…最高かよ。
残念ながらその在庫は近隣の店舗にはなかったため、すぐさまネットで問い合わせ。在庫の確認が取れた週末、ディーラーへ話を聞きに行き、その場で即決してしまいました(笑)。
初めて訪れるボルボディーラーは、スズキやスバルの店舗とは明らかに違う、洗練された空間。正直かなり緊張していましたが、北欧家具が置かれた居心地の良い雰囲気と、スタッフの方の丁寧な対応に、すぐにリラックスできたのを覚えています。
こうして僕のボルボライフは幕を開け、V90を知れば知るほど、ボルボというブランドそのものが大好きになっていきました。
泣く泣くの手放しと、このブログに込めた想い
最高の相棒だったV90。しかし、その後結婚し、将来を見据えて家計を見直す中で、泣く泣くV90を一旦手放すという決断をしました。
けれど、僕のボルボへの、特にV90への想いはまったく色褪せていません。今でもそのチャンスを狙ってカーセンサーやYouTubeを見漁ってます!
「いつか必ず、あのV90を買い戻す!」
その決意表明と、僕がV90から得た素晴らしい経験や知識を、次のオーナーへと繋いでいきたいという想い。それが、この「VOLVO LIFE JOURNAL」の原動力です。
僕が無事にV90を買い戻せるかどうかは、この記事を読んでくださっている皆様にかかっています…! …というのは冗談ですが(笑)、このブログを通じて、一人でも多くの方にボルボの魅力を伝えられたらいいなと思います!