ボルボのPHEVやEV、とても魅力的ですよね。
XC60 Rechargeの静かで力強い走りや、EX30の洗練されたデザイン。
街で見かけると、つい目で追ってしまいます。
でも、多くの人にとって一番の悩みは「充電」ではないでしょうか。
特に、僕のように賃貸マンションやアパートに住んでいると、自宅に充電設備を設置するのは現実的にかなり難しい。
「充電器がないと、PHEVやEVはやっぱり無理なのかな…」
「もし買ったら、運用はきついんだろうか?」
僕もV90に乗っていた頃、次の乗り換えを想像しては、そんな不安をいつも感じていました。
ボルボの電動モデルに乗りたい気持ちと、充電環境という現実。
今回は、この「賃貸・充電設備無し」という条件で、PHEVやEVをリアルに運用できるのか、最新の情報を踏まえながら、僕なりの視点で深掘りしてみたいと思います。
- 賃貸・充電設備無しでのPHEV運用の実態
- 充電設備無しでEVに乗る場合の厳しさ
- 公共充電スポットの上手な使い方と料金目安
- 賃貸暮らしにおけるPHEVとEVの現実的な選び方
PHEVは賃貸で充電設備無しでも運用可能か

- PHEVを充電しない運用の実態
- PHEV自宅充電無しはきついのか?
- 自宅充電なし運用のメリット
- 公共充電スポット 探し方のコツ
PHEVを充電しない運用の実態
まず結論から言うと、ボルボのPHEV(XC60 Rechargeなど)は、まったく充電しなくても問題なく走れます。
なぜなら、PHEVはガソリンエンジンとモーターの両方を積んだ「プラグインハイブリッド」だからですね。
もしバッテリーの電気がなくなっても、自動でエンジンがかかり、普通のハイブリッド車として走り続けてくれます。
バッテリーが空になっても、走行中のブレーキ(回生ブレーキ)などで少しは充電されますし、もちろんガソリンさえ入れればどこまでも走れます。
「充電しないならPHEVの意味がない」と思うかもしれません。
確かに、あの静かなEV走行をメインで使えないのは、少し勿体無い気もします。
でも、実際には「充電がゼロでも、普通のハイブリッド車より高性能」なのが実態なんです。
僕が乗っていたV90 T6(ガソリン車)もパワフルでしたが、PHEVモデルはモーターのアシストがあるので、発進時や加速時のスムーズさと力強さが全然違います。
充電しない運用は、PHEVの魅力を100%引き出すものではないですが、「高性能で燃費もそこそこ良いガソリン車」として十分に機能する。これが実態だと思います。
PHEV自宅充電無しはきついのか?

では、自宅に充電設備が無いと「きつい」のか。
これも個人的には、「まったくきつくない」と答えます。
理由はシンプルで、ガソリン車とまったく同じ感覚で乗れるからです。
EV(電気自動車)と違って、「電欠(電池切れ)」の心配が1ミリもありません。
週末に遠くへドライブに行っても、帰りの充電スポットの心配をしなくていい。
ガソリンスタンドはどこにでもありますから、この安心感は本当に大きいです。
もちろん、「せっかくPHEVを買ったんだから、電気で走りたい」という気持ちは絶対に出てくると思います。
そういう場合は、次のH3で紹介する「公共の充電スポット」を活用すればいいんですね。
例えば、
- 週末の買い物で行くイオンモール
- 会社の駐車場
- ボルボのディーラー
こういった場所にある普通充電器で、買い物のついでや、点検のついでに充電する。
それだけでも、平日のちょっとした移動はEVモードでカバーできるかもしれません。
自宅充電が「必須」ではない。これがPHEVの最大の強みですね。
自宅充電なし運用のメリット
PHEVを自宅充電なしで運用するのは、デメリットばかりに聞こえるかもしれませんが、実はメリットもあると思っています。
電欠の不安からの解放
これは一番大きいですね。
EVだと、長距離はもちろん、日々の通勤ですら「あと何%残ってるかな」「帰りに充電しなきゃ」と、常にバッテリー残量を意識する必要があります。
PHEVなら、そのストレスが一切ありません。ガソリンメーターだけ見ていればOKです。
(EVと比べて)バッテリー劣化を気にしすぎなくて良い
EVはバッテリーが命です。
特に自宅充電がなく、公共の「急速充電」ばかりを繰り返すと、バッテリーへの負荷が高く、劣化が早まると言われています。
PHEVはバッテリー容量がEVより小さいですし、基本はエンジン走行もできるので、そこまでシビアに劣化を心配しなくて良いのは、精神的に楽だと思います。
高性能な走りを純粋に楽しめる
前述の通り、充電がゼロでもPHEVはパワフルです。
ボルボのPHEVは、モーターとエンジンを組み合わせたAWD(四輪駆動)システムが本当に優秀で、雨の日や高速道路での安定感が抜群です。
充電環境に左右されず、ボルボが持つ「走りの質感の高さ」をシンプルに楽しめるのは、大きなメリットですね。
公共充電スポット 探し方のコツ

自宅で充電できなくても、公共のスポットを活用すればPHEVのEV走行は楽しめます。
その探し方のコツは、とにかく「専用アプリ」を活用することです。
EVsmart(EVスマート)
一番有名なアプリかもしれません。
日本中の充電スポットを網羅していて、地図上で簡単に探せます。
「普通充電」「急速充電」で絞り込めますし、利用者の口コミで「今、使えるか」「故障してないか」といったリアルな情報がわかるのが強いですね。
GoGoEV(ゴーゴーイーブイ)
こちらも定番のアプリです。
EVsmartと同じように、スポット検索や口コミ機能が充実しています。
両方入れておいて、使いやすい方を見るのが良いかもしれません。
ボルボ純正ナビ(Google搭載車)
最新のボルボ車なら、Google搭載のナビで充電スポットを検索できます。
「OK、Google。近くの充電スポットを探して」と話しかけるだけでいいので、運転中は一番安全で楽ですね。
探し方のポイントと注意点
まず、e-Mobility Power (eMP) のような充電ネットワークのビジター(都度利用)は、WEBサイトで都度クレジットカード情報などを入力する必要があり、初回は少し手間に感じるかもしれません。
ただ、アプリで場所さえ見つければ、充電器の案内に従って操作すれば大丈夫です。
そして、最も重要なことですが、ボルボのPHEV(XC60 Rechargeなど)は、「急速充電(CHAdeMO)」には対応していません。
充電できるのは「普通充電(AC200V)」のみです。(規格はJ1772/Type1)
アプリで検索する際は、必ず「普通充電」に絞り込むのを忘れないようにしてください。
EVを賃貸で充電設備無しで乗る現実

- 自宅充電設備なしはきついのか?
- 急速充電と普通充電の使い分け
- 実際の充電頻度はどれくらいか
- 外出先での充電料金、月いくら?
- おすすめの充電カード比較
- マンション充電器の設置交渉術
自宅充電設備なしはきついのか?

さて、ここからはEV(電気自動車)の話です。
PHEVとはまったく事情が異なってきます。
結論から言うと、賃貸で自宅に充電設備無しでEVを運用するのは、「正直、かなりきつい」と思います。
EVの運用は、スマートフォンと同じなんです。
「夜、寝ている間に家で満充電にして、日中使う」
これが大前提の乗り物なんですね。
もし自宅充電ができないと、
- 毎回、公共の充電スポット(主に急速充電)を探す必要がある
- 充電のために、30分〜1時間程度の時間を確保しなくてはいけない
- 行っても充電器が空いていない(先客待ち)リスクがある
- ガソリンスタンドに比べて、スポットの数が圧倒的に少ない
という現実に直面します。
ボルボのEX30やC40、デザインも走りも本当に魅力的です。
でも、この「充電の手間」が、愛車に乗る楽しさを上回ってしまう可能性が十分にある。
僕はちょっと面倒くさがりなところがあるので、もし自分がこの環境なら、EVを選ぶのは相当な覚悟がいるな…と感じます。
急速充電と普通充電の使い分け
EVの運用では、この2種類の充電を正しく使い分ける必要があります。
1. 急速充電(CHAdeMO規格)

- 場所: 高速道路のSA/PA、自動車ディーラー、一部のコンビニなど
- 特徴: 短時間(約30分)でバッテリーの80%程度まで充電できる。
- 役割: 外出先での「継ぎ足し充電」や「緊急充電」
- 注意点: 自宅充電なしでEVに乗る場合、これが「メインの充電」になりますが、利用料金が割高で、バッテリーへの負荷も高いと言われています。ボルボのEV(EX30など)はこれに対応しています。
2. 普通充電(200Vコンセント)

- 場所: 戸建て住宅、マンションの充電設備、商業施設、宿泊施設など
- 特徴: 数時間〜十数時間かけてゆっくり満充電にする。
- 役割: EVの「基礎充電(自宅での充電)」
- 注意点: ボルボのPHEVが使えるのはこちらのみです。EVを外出先の普通充電で満タンにするのは時間がかかりすぎるので、あまり現実的ではないですね。
賃貸・充電設備無しでEVに乗るということは、本来「緊急用」である急速充電を「日常使い」することになる。
このアンバランスさが、運用をきつくする一番の理由かもしれません。
実際の充電頻度はどれくらいか
これは、車種のバッテリー容量と、日々の走行距離によります。
例えば、ボルボ EX30の航続距離(WLTCモード、ボルボ・カー・ジャパン公表値)は、グレードによって結構異なります。
| グレード | 航続距離(WLTCモード) |
| Single Motor Extended Range | 最大 約560km |
| Twin Motor Performance | 最大 約535km |
| Single Motor (標準) | 最大 約390km |
これはあくまでカタログ値なので、エアコンを使ったり、高速道路を走ったりすると、実質的な航続距離は7〜8割くらいで見ておくのが安全です。
シミュレーション(Extended Range:実質420kmで計算)
- 毎日の通勤で往復40km走るとします。
- 1週間の平日5日間で、200km走行。
- 週末に買い物などで50km走ると、週合計250km。
このペースだと、満充電からスタートしても、1週間に1回は必ず充電が必要になりますね。
ただ、急速充電はバッテリー保護のために80%までしか充電しないことが多いので、実際には「週に2回」は充電スポットに行く、くらいの感覚になるかもしれません。
ガソリン車のように「ランプが点いたらスタンドに行く」のではなく、「次の週末までに、どこで30分充電するか」を常に計画する必要がある。これがEVのリアルな充電頻度だと思います。
外出先での充電料金、月いくら?
「EVはガソリン代より安い」とよく聞きますが、それは「自宅で(安い)夜間電力をつかって充電できる場合」の話です。
外出先、特に「急速充電」をメインに使うと、ガソリン代よりも高くなる可能性が十分にあります。
充電料金は、利用する「充電カード」のプランや、ビジター(都度)利用かで大きく変わります。
多くの充電スポットは「e-Mobility Power (eMP)」というネットワークに入っていて、料金は「時間課金(1分あたりいくら)」です。
eMPのビジター(都度利用)料金例(2025年10月現在)
- 50kW以下の急速充電器: 最初の5分まで275円、以降 55円/分
- 50kW超の急速充電器: 最初の5分まで385円、以降 77円/分
もし30分間の急速充電(50kW)を使った場合、
275円(5分) + 55円/分 × 25分 = 1,650円
となります。
前述のシミュレーションで、これを「週に2回」行ったとすると、
1,650円 × 2回/週 × 4週/月 = 月額 13,200円
これに対し、eMPには月額基本料を払う会員プランもあります。
例えば「急速・普通充電プラン」(月額4,180円)に入ると、50kW以下の急速充電が 27.5円/分 になります。
会員プラン(月額4,180円)の場合
- 30分充電: 27.5円/分 × 30分 = 825円
- 月8回(週2回)利用: (825円 × 8回) + 月額4,180円 = 月額 10,780円
ビジター利用と比べると安くなりますが、それでも月額1万円は超えてきますね。
ガソリン車と比べて「圧倒的に安い」とは言えないのが現実かもしれません。
おすすめの充電カード比較
前述の通り、充電料金はカードのプランで決まるので、カード選びは非常に重要です。
ボルボ・ディーラーでのプラン確認
- 特徴: ボルボが独自の充電カードを提供しているか、またはeMPや他のネットワーク(PCA:プレミアム充電アライアンスなど)と提携した優待プランがあるか、最新の案内を確認するのが一番確実です。
- メリット: 新車購入時に一定期間の無料充電が付帯している場合もあります。
- おすすめな人: ボルボのEV、PHEVを購入するすべての人。まずはディーラー相談が基本ですね。
e-Mobility Power (eMP) カード

- 特徴: 充電ネットワーク運営元が発行する公式カード。
- メリット: プランがいくつかあり、月額基本料(4,180円など)を払うと、都度の充電料金(1分あたり)がビジターより安くなります。
- おすすめな人: 月に何度も急速充電を使うことが確定している人。
正直なところ、どのカードが一番お得かは、「月に何回、何分充電するか」で変わってしまいます。
自宅充電なしでEVに乗るなら、まずは自分の乗り方を分析して、各社の料金プランをじっくり比較検討する必要がありますね。
参考:e-Mobility Power (eMP) 公式サイト↓

マンション充電器の設置交渉術
「もう、いっそのことマンションに設置できないか?」
そう考えるのも自然なことです。
ただ、結論から言うと、特に賃貸の場合は、交渉のハードルは「極めて高い」と思っておいた方が良いです。
分譲マンションですら、
- 駐車場が「共用部分」の場合、その変更は原則として「特別決議(区分所有者および議決権の各3/4以上の賛成)」が必要(区分所有法)。
- 設置費用(数十万〜数百万円)をどう負担するか。
- 利用しない住民からの反対。
といった高い壁があります。
(※近年はEV普及のため、国交省がガイドラインを出し、規約によっては普通決議(過半数)で可能な場合もあるなど、少し緩和の方向にはありますが…)
賃貸の場合は、さらに「大家さん(オーナー)」の許可がすべてです。
もしダメ元で交渉してみるなら、以下の点を準備するのが良いと思います。
- 補助金情報の提示
- 国や自治体には、EV充電器設置のための手厚い補助金(工事費のほぼ全額が出る場合も)があります。これを調べて「オーナーさんの金銭的負担はほぼありません」と伝えるのが一番重要です。
- 設置業者の紹介
- enechange(エネチェンジ)のように、導入費用0円で、設置から管理・課金まで全部やってくれる業者があります。こうした「オーナーさんに手間がかからないプラン」を提案するのが有効です。
- 資産価値向上のアピール
- 「これからは充電器がある物件が選ばれます」「資産価値が上がります」と、オーナー側のメリットを伝えることですね。
仲間を集めたり、資料を準備したり…かなりの熱意と労力が必要になることは覚悟しておいた方が良いかもしれません。
PHEVとEV。賃貸で充電設備無しなら
ここまで、賃貸・充電設備無しでのPHEVとEVの運用について、現実的な視点で見てきました。
最後に、僕なりの結論として、この記事のポイントをまとめます。
- 賃貸で充電設備無しならPHEVが現実的な選択肢
- EVの自宅充電なし運用は「かなりきつい」と覚悟が必要
- PHEVは充電しなくても高性能なハイブリッド車として走れる
- PHEV最大のメリットは「電欠」の心配が一切ない安心感
- EVの最大のデメリットは充電の手間と時間的コスト
- EVは自宅充電が基本。スマホと同じ運用が理想
- 公共の急速充電は料金が割高でガソリン代より高くなる可能性も
- ボルボPHEVは「普通充電」のみ対応。「急速充電(CHAdeMO)」は非対応
- ボルボEVは「急速充電」「普通充電」の両方に対応
- 充電スポット探しは「EVsmart」などの専用アプリが必須
- 充電カードは自分の利用頻度(月何回)で選ぶのが重要
- ボルボオーナーはまずディーラーで最新の充電プランを確認する
- 日産ZESP3は2023年9月以降、日産EVオーナー限定のサービスになった
- 賃貸マンションへの充電器設置交渉はハードルが非常に高い
- 交渉するなら「補助金」と「0円設置業者」の情報が鍵


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